弱点を発見


「だからナルト、敵を欺くには味方からなんだよ」



「それなのに毎度ひっかかるナルトが悪いよね〜ね、シカマル」
「お前も大概性格悪いけどな」
「なまえなんてなまえなんて、大っキライだってばよ!!」


綱手様に任務完了の報告をしに行く道中で昔話をした。懐かしい、アカデミーもっかい戻りたいな。結局今回もあの時と同じように、追手を幻術で撒いたっていう寸法です。


「お前らもういいぜ、報告はオレがしとくからよ」
「あらシカマルさん珍しい」
「シカマルー!気が利くってばよ!」
「一応リーダーだから仕方ねーだろ」


ありがたくそこはシカマルに任せてナルトと私は帰りに一楽に寄ることにした。今日は味噌な気分、こってりいきたい。むしろ私がこってり。え、うそ。太ったかも。


「でもよぉなまえ、」
「ん?」
「なんでおまえ幻術馬鹿なんだ?」


麺をズズっとすすりながらナルトが失礼な質問を投げかけてきた。じゃあこっちも言わせてもらうけどあんたも影分身馬鹿じゃん、なんてことは言いません。私ナルトと違って大人だもん。思ってても口には出しませんよ。


「幻術ってよくない?」
「どういう意味だってばよ」
「うーん、だってさ。今日の場合でもそうだけど無駄な争いを避けられるじゃん?私さ、意味もない戦闘とか嫌いなんだよね」
「ふーん」
「誰も傷つかないならそれが一番じゃん」
「なるほど、そう言われたらそのとおりだってばよ」
「でしょー!」
「でもさでもさ、幻術って直接的な攻撃とかには向いてないってばよ。なまえっていざという時どうするつもりだってばよ?」
「う、」


そうなのよねーナルトってば痛いとこついてくる。最近の私の悩みはもっぱらそれなのよ。まさか一楽でラーメン頬張りながら、しかもナルトに突っ込まれるとは思っていなかった。やけに味が濃いじゃないの、この議題。道理でこってりしてるはずだ。


いろんな意味で少し胃がもたれながら、屋台を後にした。ナルトとも歩いてすぐの交差点でバイバイしようとすると、青い眼が疑問に曇る。ん、なに?


「なまえん家こっちだってばよ?」
「ああ、今日は帰んないよ。明日非番だから」
「あー!またかよ、相変わらず仲良いんだなー」
「いいでしょー?ナルトもはやくサクラと付き合えるといいね」
「あは、あはははは!待ってろってばよ!」
「フフ馬鹿面」
「じゃあまたな!」
「うん」


ナルトに背を向け歩き始めると、自分の影が目に入った。今日は月がすごく明るい。自分の影と追いかけっこしながら彼の家へと向かった。


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