サバイバル鬼ごっこ

「―――解!」


しばらく前に作った幻術を二人の前で解いてみせた。シカマルはやれやれって顔してナルトはちょっぴり怒っている。あーこれはシカマルの口癖じゃないけど、めんどくさそ。


「なまえ!どういうことか説明しろってばよ!!」
「気付かないナルトが悪いんだよー?私むかしっから言ってるじゃん」








「今日の授業は鬼ごっこだ!」


イルカ先生が笑顔でそう言うも、生徒たちからはブーイングの嵐。


「なんで鬼ごっこなんだよー」
「そうだそうだ、手裏剣とか投げたいぞー」
「んー?べつに使ってもいいんだぞ!要はサバイバル鬼ごっこなんだ」


先生は今回の趣旨を順を追って説明し始めた。ルールは簡単だった。まずは通常の鬼ごっこと同じように鬼に見つからないように隠れる。鬼に見つかっても手裏剣や術を使って逃げ切ればセーフ。捕まらなければとにかくオッケーだそうだ。つまり追手を撒く演習とのこと。鬼はイルカ先生ひとり、制限時間は2時間。2時間後、イルカ先生に捕まっていなければ合格らしい。


「めんどくせー」
「シカマルはそればっかり」
「楽しそうだってばよ!」
「ナルトは騒がしいからすぐ見つかるよ」
「あーなまえはすぐそういうこと言うってばよ!」
「だってホントのことだもん」
「だってよナルト」


私を挟んでナルトとシカマルが牽制し合っている。ナルトからは私に対しても殺気が送られているけど、まあ気にしないでおこう。にしても2時間かぁ、長いなぁ。


「よーし、じゃあ解散!5分経ったら探し始めるからな」


イルカ先生が時計を見ながらそう言うと、みんなバラバラに走りだした。イルカ先生はその間目隠しをしているようだ。


「さーて私も隠れよっかな」
「お前どうすんの」
「シカマルこそどうすんの?」
「オレはふつーに木の上で寝とくけどよ」
「隠れる気ないんかい」
「オレってばオレってばいい隠れ場所ないってばよー!」
「じゃあナルトは私の幻術に付き合ってね」


覚えたての印を唱えると、みるみるうちに世界は変わっていく。くーこの感覚やっぱたまんない!なんか知んないけど私は最初っから幻術にしか興味がなくて幻術ばっか磨いてたらこんなことが出来るようになった。それ以外はナルトやシカマル同様成績は下から数えたほうが早いんだけどね。


「私はこの中に隠れる」
「てか、これみんなにとっても好都合じゃねーの」
「そだね、特定の人とかじゃなくてクラス全員入れちゃったからね」
「すっげえーー!じゃあオレ早速隠れてくるってばよ!」


ナルトはそう言うと私が創り上げた森の中へと消えていった。イルカ先生が数えだしてもう3分ぐらい経った気がする。私も急がないと。


「あ、ちょっと待てなまえ」
「なに?シカマルも急がないと」
「お前イルカの奴を入れ忘れたりしてねーよな?」
「そんなミスする訳ないじゃん」
「だよな。じゃオレも行くわ」
「じゃーねーまたあとで」



鬼ごっこスタートです。


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