サスケとおまえが似てるって?どこがだよ、
「なに言いてぇのか全然分かんねー」
苦し紛れに飛び出た情けない言葉。オレには劣等感とかなまえが忍やめるとか、正直そんなのはどうでもよかった。それよりも今のおまえの気持ちを一番理解出来る奴がサスケって言われたような気がして、じゃあオレはなんなんだよと。久しぶりに頭に来た。そして向けてはいけない苛立ちを今まんまとおまえにぶつけちまってる。くだらねーな。
「あーめんどくせぇ」
だから女は嫌なんだ。こいつだって例外じゃねぇんだよ。
「ちょっとシカマル、なに勝手に怒ってんの?話まだ」
「もーいいって。オレに劣等感?ふざけんなよ」
「あーもう、話聞いてよ最後まで」
きつく言ってしおらしくなるタイプの性格じゃない、まぁシュンとされるほうがもっと面倒だけど。
「すごいって思うのと同時にちょっとだけうらやましいって。そんな自分が嫌なだけ」
「…」
「こんな気持ちで大切なもの守れるかなって思ったら、忍でいる自分に違和感感じたの」
「…べつそのままでいーんじゃねーの」
「え」
「それが"なまえ"だろ」
「いや、だけどさ」
「完璧な人間てのはどこにもいねーんだ」
「…シカマルも?」
「まぁ、」
なまえの腕を思いっきり引っ張ってあごを持つと、心底驚いたように目をまるくさせた。
「な、」
「…やんねーけど」
「な!」
口が触れるかどうかのギリギリのとこで寸止め。そりゃそーだ。真っ昼間、しかも外でなんか出来るかってーの。
「とにかく、考えすぎだおまえは」
オレだって、全然余裕じゃねーんだよ。頼むから離れていくなって。
「でも、このままは、やっぱり嫌」
「…頑固」
「うん」
知ってたけど、再確認。こいつ、こうだと言ったらきかねーんだ。はぁ、めんどくせー。
「シカマル、あたし」
「なんだよ」
「、これ」
そう言うとぎこちない手つきでオレの手を取った。なまえの感触がなくなると、オレの薬指には草で作られたような不細工な輪っか。
「おい、なんだこりゃ」
「そこは気付いてよ、頭いいんでしょ」
まさか、な。と思ってなまえを見るとさっきよりももっと赤くなっている。うそだろ、なんなんだよ今日は。容量オーバーだっての。
「シカマルが大好きだよ」
やばい、顔見れねぇ。