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あとがき

 この度は爆豪長編「lonly,only,lovely,verify」に最後までお付き合いくださりありがとうございました。本作は前作の「lonly,only,lovely」続編として連載して参りましたが、このシリーズはこれで本当に完結となります。前作に比べると後半に差し掛かるぐらいまでは圧倒的にメンタル的にしんどいシーンが多かったので色んな意味で大丈夫かなと危惧しておりましたが、書きたいことを気の済むまで書けて作者個人としては大変満足しております。

 結婚はゴールではなくスタートだとどこかの誰かが言っていたような気がしますが、私も同感です。お互い好きになったから結婚したとはいえ、赤の他人と死ぬまで一緒に生きていくというのは「好き」だけで解決できない問題が山積みだと思うんですよね。価値観、それまでの生き方、趣味嗜好、生活リズム、考え方、その他細かいことまで波長を合わせるのは難しいことで、ぶつかることも沢山あるはずです。
 爆豪夫婦の場合は、まずぶつかり合える関係になることが第一の関門だと思って書いていました。結婚しても気が許し合えないとか、どこかまだ背伸びをしていたりとか、素直に甘えられないとか、そういうことに何となく気付いていても、生活に支障はないからまあいっか、とスルーしている間に事件が起こってしまった(というか起こさせた)わけですが。
 正直、どちらかのことを忘れる、なんやかんやあって最終的に思い出す、の流れは皆さんある程度予想できていたと思います。笑 きっとこの界隈を探せばこの流れのお話は沢山あることでしょう。それでも私がこのお話を書いたのは、「なんやかんやあって」の部分で二人の深層心理にある繋がりみたいなものを掘り下げたかったのと、思い出した後でどう変化したかを描きたかったからです。
 公式で爆豪が「ごめん」と謝るシーンを見た時、彼は本当に申し訳ないと思った時に「悪かった」とか「悪ィ」ではなく「ごめん」を言える人間で良かったと思いました。そして、彼に「ごめん」と言われるシチュエーションを勝手に妄想しまくりました。笑 結果、この作品でそのセリフを使うことに成功しましたが、それよりも多く「ありがとう」を意識して使うようにしていました。ごめんが言える彼ならありがとうもちゃんと伝えてくれるはずだという気持ちを込めて。そして作中の二人にはネガティブな単語よりポジティブな単語を使わせたいという私の願望を込めて。
 妻が妊娠中の爆豪は絶対に過保護だろうなと思って、あえてちょっとウザい感じに書きました。笑 女心がわかっていそうでわかっていないのが男です(あくまでも持論ですが)。何でもできちゃう才能マンだって、パーフェクトじゃない時があってほしいなと思いながら書きました。喧嘩というかヒロインが感情を爆発させるところも、殻をぶち破るイメージで書けて楽しかったです!
 私はアニアカOPで使用されていた米津さんのピースサインがめちゃくちゃ好きなのですが、この長編は爆豪とヒロインの関係を「守りたいだなんて言えるほど 君が弱くはないのわかってた それ以上に僕は弱くてさ 君が大事だったんだ」の歌詞にリンクさせながら書いていました。爆豪もヒロインも自分の弱さを認めるのが下手な部類だと思っているのですが、単純に「自分は弱い、相手は強い」ではなく「相手が大事だから弱くなってしまうこともあるけどより強くなることもできる」という関係性を描いたつもりです。少しでも何か伝わるものがあったら良いのですが……!
 ちなみに子どもの名前を出さなかったのはわざとです。後日談を書くことがあったとしても、子どもの名前を出す予定はありません。皆さんがそれぞれ考えた名前を思い浮かべて楽しんでいただけたら幸いです。

 さて、恒例となりましたタイトルの意味についての解説コーナー(?)ですが、今作の「lonly,only,lovely, verify」 のverifyには、正しいことを実証する、証明するという意味があって、前作の続きから「二人の愛を証明するお話」的な意味で使用しました。ちなみに頭文字をとって略した場合「lolv」になりますが、スラングとして手紙などの結びでlots of love(=沢山の愛を)の略として使われることがあるそうです。二人にぴったり!笑
 さらに今回、長編のトップページでオレンジ色のバラの画像を使用しているのですが、オレンジ色のバラの花言葉は「絆・幸多かれ・信頼・熱望・健やか」などだそうで(他にもあるかもしれません)、オレンジ色がイメージカラーの爆豪と掛け合わせるしかないと思って選びました! 絆には、断とうにも断ち切れない人の結びつきという意味があるので、爆豪とヒロインがそうだったらいいなという願望もあったりします。また、一本のバラには「一目ぼれ、あなたしかいない」という意味があるそうなので、これもまたこの夫婦にぴったりだなと思っています。

 いつも長々と語ってしまい申し訳ありません。このページにも目を通してくださっている方がいることを本当に有り難く思います。くだらない一人語りにお付き合いいただきありがとうございました。
 最後にもう一つ余談として、ご存知の方も多いかもしれませんが、最終話の「オレンジの片割れ」はスペインで「生涯愛すべきパートナー」の意味があるそうです。爆豪のイメージカラー=オレンジというだけで調べまくって、素敵だなと思ったものを詰め込めるだけ詰め込んだらこんなことになりました。盛り込みすぎですみません……愛が重すぎて……笑
 このお話の続きは、また番外編? 後日談? として書けたら良いなあと思っていますので、ご感想はもちろん、「こんなネタで読んでみたい」などありましたらぜひお聞かせ願います。
 それでは、繰り返しのお礼となりますが、当サイトにお越しいただき、そしてこの作品を読んでくださり、本当にありがとうございました!

2023.01.31 あげは