あいすみるくを一杯。


topblognovelilustmaillink




Imitation Love

夜明けの、紫がかった空。
ザザーッ、と白波をたてながら静かに満ち干きする海。
なんとも言えない神秘的な世界に、二人ぼっち。

「…」
何も言わず、ぎゅっと綱海さんの手を握ってみた。
それだけのことなのに、心臓が飛び出るくらい働き始める。
どこまでも遠く見つめるその瞳に、俺はいつの間にか虜になっていた。
海が大好きで、そのまま拐われてしまうのではないか、と心配するくらいだ。

ふいに、心地良い潮風が頬を撫でた。
「ん…」
無意識に出た音が恥ずかしかったのか、少し赤く顔を染め、下を向く。

世界がだんだん明るくなり、また朝がやってくる。
綱海さんは立ち上がり、屈んで俺に軽くキスをした。
去ろうと歩きだす背中に、今日はしないんですか、と小さく呟く。
すると聞こえたようで、なんか今日はいいかな、なんて強がりを言った。
「腹減ったなー…って何だ急に!?」
僕は走り、綱海さんの背中にしっかりと抱きつく。
自分でも何でそうしたのかわからない。
綱海さんは俺の顔を見るなり、しゃがみこんでしまった。
しばらくそうしていると、帰ろうだなんて当たり前のことを言って、また宿舎に向かい歩き出した。

もし、出会えたことに理由があるなら、それはきっと二人は出会うべき存在であったから。
俺の人生には綱海さんが組み込まれていて、綱海さんの人生にもー
そう、信じたい。

だけど、神様は素直じゃなくて。
こんな曲がった形で俺達を惹き寄せた。
カタチだけの、汚れた恋。
カラダを慰めるだけ。


それでも、俺は、
あなたのことが好きですー


*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*

しないんですか、は
一応交尾ではなくサーフィンです。
まぁ本当はどっちでもよかったり。

[ 11/4]

[prev] [next]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -