あいすみるくを一杯。


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sweet morning*

「んっ…」
寝てる時に無意識に出る声は、まるで喘いでいるようである。
恋人のそんな声が聞こえたものだから、一瞬で勃ってしまう。
今、俺の胸の中にいる小さな厨ニ野郎は、すやすやと寝ているようだ。
寝顔を見ると、昨夜のことを思い出してまた体が熱くなる。
悟られないように、寝返りをうった。

「…」
その後、後ろから抱きつき、しばしうるった目でこちらを見るので、しょうがないなとまた寝返りをうつ。
軽く抱きしめてやると、嬉しそうに抱きつき返してきた。
おでこにキスをして、起き上がろうとすると「…やだ」と言ってベットに戻される。
腹が減っているが、珍しくこんな素直な倉間が可愛いので反抗はしない。
でも、「腹、減ってない?」と聞いておく。
すると、倉間が答える代わりにぐぅとお腹が鳴った。
恥ずかしいのか俺のうなじら辺に頭を埋める。
よしよし、と頭を撫で、しばらくして起きた。
一応服を着て、台所に立つ。
俺は料理が上手い方では無いので、トーストとベーコンエッグだけ作り、テーブルに置いた。
先程まで服を漁っていた倉間は、ちょこんと座り、美味しそうに頬張っている。
「南沢さんにしては、じょー出来ですね」
「ありがとう」
素直なお礼に驚き、赤くなった。
小さなことにいちいち反応するのが、可愛くてしょうがない。
「これからさぁ、典人って呼んでいい?」
倉間はマグカップに注いだココアを吹き出しそうになる。
「いっ、いきなり何ですか気持ち悪い」
「俺がお前を一生幸せにするから」
俗に言うプロポーズに、倉間の脳は処理しきれずにテーブルに倒れた。
「そんなに熱くて、テーブル燃えたらどーすんの」
「…そん時は南沢さんのお財布が頑張って」
冗談を軽く受け流され、本当に考える余裕が無いんだと知る。
それを知った上で、追い打ちをかけた。
「典人…、好きだよ」
一瞬、頭を上げ、驚いた真っ赤な顔でこちらを見て、また倒れた。
「熱でもあるんですか?」
「ある意味熱があるのはお前」
バカとでも言いたそうに睨まれた。
「典人は?」「は?」
「俺のこと、好き?」
しばらく何も反応が無いので、マジ切れしたのかと焦っていると、「南沢さん、マジ鬼畜…」と小さな声で言った。
「南沢さんが思ってるより、俺は…」
「俺は?」
そう聞き返すと、しまったという顔をして、後ろを向く。
「とにかく!俺が貰わなきゃ誰もいないでしょ」
皮肉混じりな精一杯の愛。
あんまり可笑しいので、一瞬きょとんとしてしまう。
いつもみたいに馬鹿にしないからか、倉間は不安そうな顔で振り返った。
「俺が貰ってやんの、ばーか」
そう言って記念のキスをした。

はは、と笑いつつ、倉間の頭をこれでもかってぐらい撫で回すと、いい加減にしろと怒られた。
「いーじゃん、どーせ2人でちゃんとお風呂入るんだし」
「そういう問題じゃないです」
可愛くて可愛くてしょうがないので、うなじのわざと見える位置に俺のモノである証を付けてやった。
「ちょっ、ココ、見えるじゃないですか!!」
「だめ?」
「…いいですよ、もうっ」
喉から笑い声が出ないように必死で我慢する。
しかしあえなくバレて「バカッ!バカ沢っ!!!!」と逃げられた。
お前より頭いいっつーの、と心の中で叫びながら、
汗で濡れたシーツを洗濯かごに入れた。

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