あいすみるくを一杯。


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言葉に出来ない恋

不意打ちだった。

よく、恋に落ちるのは突然だと言うけれど、
まさか自分もそう思うとは…


昨日、カラオケに行った。
訳あって、男子2人と女子1人で行くことになった。
塔也(とうや)、奏(かなで)、海桜(みお)である。
海「アイスティーうま」
奏「あ、俺から歌うわー」
塔「おけ!よろ〜」
そんなことを言い合いながら、歌い始める。
奏「最初に言っておく。俺は歌はうまくない!!」
と豪語して歌ったが、80点ぐらいだった。
海「普通にうまいじゃん!」
塔「最初は酷かったんだよ〜」
奏「おいっ、言うなし!!!」
ギャーギャー騒ぐ横で、曲を選ぶ。
歌には少しばかり自信がある。
1曲目なので、歌いやすい歌を選んだ。
歌い終わり、点数に目をやると87点だった。
塔「はいきたー、安定の高得点w」
海「いやいやいやいや…」
褒められてちょっと嬉しくなる。
歌っている間に曲を入れたらしく、
塔也がマイクを持った。

あれ、なんだろう。
淡く、低い声がどんどん私の中へ入ってくる。
思いもよらなかった想いが、
処理しきれずに生まれては消えていく。
これって、恋なの…?

それからというもの、私は塔也の歌声に夢中になっていた。
申し訳ないけど、奏の歌には興味が無かった。
それぐらい、塔也の歌にのめり込んでいたのである。
どんな曲も塔也が歌うと粋な曲に聞こえる。
その小さい、けれど力強い背中を
抱きしめたい衝動を抑えるのがやっとだった。

終わりを告げる電話がなる。
もう、あの歌声が聞けないかもしれないと思うと、
帰りたくなかった。
バイバイと言う声さえも愛おしくて。

でもね。
例えこれが本当の恋だとしても、
決してあなたを好きになることは無いでしょう。
私はあなたを好きになってはいけないから。

奏の手と私の手が重なる−

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