あーん、して?
凛「あーん、して?」
遥「えっ」
買い物に付き合ってと言われ、
悩む素振りをした後行くと返事させていただきました。
それで小腹が空いたからと、
カフェに来たのはいい。
パフェを美味しそうに頬張る凛を
何気なく見ていたら突然の不意打ちだった。
そちらはふざけて言っているのだろうが、
俺にとっては一大事である。
悔しい。可愛すぎる。
パクっと一口で食べ、知らん顔しよう。
凛「おいしい〜?…て、こっち向けよ!」
遥「…」
今、向いたら、顔が赤くなっているとバレてしまう。
そんなの絶対無理!
俺のキャラじゃねぇ!!!
凛のペースに呑み込まれそうだと気付き、
だんだん苛ついてきた俺は、
凛「んっ…!」
振り向き際に舌を絡ませ、キスしてみた。
凛「なっ、何すんだよッ!!?」
真っ赤に照れた顔で怒っても、まるで説得力がない。
それに、さっきまでとろけるような顔してたし。
遥「何でもない」
素っ気なく答え、何事も無かったかのようにパフェをつつく。
凛「…ばかハル」
遥「ごめん」
それだけ交わせば充分だ。
この一言に想いが全て詰まっているのだから。
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