あいすみるくを一杯。


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夜中の夢物語


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原作と少し性格が違う、
また解釈の違いなどあります。
大丈夫な方のみお先へどうぞ。

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名前の入ったプレートを壊され、泣き虫になった吸血鬼。
めんどくせぇ、と口では言っているけれど、正直可愛すぎてどうしようもない。
そんな風に思ってしまう自分が、ハイドに負けたみたいで嫌だった。
このクソネズミ。

「リヒたん」
「なんだよ」
「今日、一緒に、寝てもいいっスか」
恥ずかしさに耳まで真っ赤に染め、柄に無くもじもじしながらベッドに近付いてきた。
外は豪雨で、雷が鳴っていた。
そう、ハイドはこんなんで雷が大の苦手だ。
「雷みたいな身なりしてるくせに。床で寝ろ」
「それとこれとは関係ないっスよ〜!てかリヒたんひどい!悪魔!!」
「俺は天使だ」「この堕天使!」
そうやって言い合いをしている内に、二人共疲れて眠くなっていた。
ハイドは手探りで布団を探し、ベッドに横になった。
俺はもうめんどくさくて、隣で寝ることにした。

「リヒト…ッ」
小さく、でも芯のある声で呼ばれ、後ろを振り返る。
そこには寝息をたて、寝ているハイドしかいなかった。
(なんだ寝言か)
そう思い目を閉じた瞬間、
「あ…っ、ダメっスよ…んん」
今度は熱の籠もった声だった。
意外にもウブな俺には、たったこれだけで一年分のご褒美になる。
再び目を開け確認すると、確かにそこにはハイドがいた。
しかし、先程より赤い顔をしていたのである。
目を閉じている所から、夢をみているのだとわかった。
あまりの可愛さに、つい口にフレンチキスの雨を降らせる。

すると目をぱちくりとさせ、目を開けるものだから、驚きで心臓が止まりそうになった。
冷や汗が額を流れ落ちていく。
「え、え、え、リヒト…?」
何があったのかわからない、と言った表情をしていたので、助かったと思っていた。
しかし。
「今…、俺に、キスしたっスよね」
唇をいじらしくなぞり、何故か涙を流すハイド。
「し、してねぇ」
「いや、した」
「する訳がない」
「したもん!」
枕どころかベッドを濡らす勢いで泣き出すもんだから、ついに認めてしまった。
「あぁ、もう!したら悪いのか!!」
「…ううん、嬉しいっスよ。好き」
急に告白するもんだから、何を言っているのかよくわからなかった。
「はぁ?馬鹿か」
「うるさい」
素直になれない自分に腹が立つ。
俺も好きだ、と言えばいいのに、こんな言い方しかできない。
「まぁ、そんなツンデレ天使ちゃんが可愛いんスけどね」
あは、と笑うハイドに、心を見透かされた気がして気持ちが悪い。
でも今はこの二度とないような幸福を、味わいたい。
「…だめだ〜、寝てもいいっスか?」
大きなあくびをして、再び布団に潜る。
ばーか、と小さくため息をつき、自分も布団の中に入った。


(( 夜中の夢物語 ))

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