あいすみるくを一杯。


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誤解、そして

「ペトラ、お前はオルオと付き合っているんだろう?」

兵長は自慢げな顔でそう言い放った。

「オ〜ル〜オ〜」
「な、」
次の言葉を言う前にオルオの首はペトラによって締め上げられた。
必死にもがくオルオのみぞおちにチョップをすると、舌を噛んだのか口から赤い液体がダラダラ流れていた。
「兵長に何か吹き込んだでしょ!」
「俺はただ、俺達は今いい感じだって言っただけさ…うぇっ」
「馬鹿っ!」
平手打ちを決め、泣きながら走っていったペトラを見ながら、オルオは意識を失った。

「(どうしてオルオは、いつも余計なことしかしないのかしら…っ!)」
早く誤解を解こうと兵長の元へ急ぐ。
「早かったな。もうオルオのことはいいのか?」
ニヤニヤして聞いてくる兵長に、ペトラはやり場の無いもやっとした感情を覚えた。
純粋な誤解は、時に傷付ける刃物となる。
「もうっ…なんで…」
とうとう我慢していた涙が落ちた。
兵長は呆然と立ち尽くし、その後割と素直に心配してくれた。
オルオのことは好きでもなんでもなくて、勿論何の関係も持ってないと言うと、何故だか安心したように見えた。
「そうだったのか…。すまん」
本当は兵長が大好きなんです、なんて言いたいけど言える訳がなくて、躊躇っていると、優しく抱き寄せてくれる。
「俺が素直に好きだって言えばよかった」
「えっ、今なんて…」
今度は嬉しくてまた泣いてしまった。
「おい、なんでまた…」
こういうのには慣れてないんだ、と困惑しつつも、暖かく包んでくれる。
「私も、兵長が大好きです!」
とびきりの笑顔を浮かべてそう言った。

それからというもの、兵長はペトラにやたらと構うようになった。
嬉しいと思う反面、なんだか言い表せないモヤモヤがペトラを襲った。
ある日、思い切って聞いてみることにした。
「兵長、最近私に構い過ぎじゃないですか?」
すると驚き、俯きながら「嫌、だったか…?」と一言呟いた。
思いもよらぬそんな姿に、甘やかしてしまうところだった。
「嫌じゃないですけど、みんなの前ではちょっと…」
少ししゅんとして「わかった」と返事し、その場を去ろうとする。
このままだと、あんまりにも可哀想な気がして。
「リヴァイ、さん」
照れながらもそう呼ぶと、すぐに振り向いた。
「これからは、リヴァイさんって呼んでもいいですか…?」
少し戸惑い、でもやっぱり嬉しかったのか、いつになく笑顔で「あぁ」とただ一言言った。

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