あいすみるくを一杯。


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いれそむーぶめんと

寝ている蒼の上半身に手を沿わせる。
やっぱり、綺麗だ。
寝顔を見ていると、愛おしくなってついフレンチキスをお見舞いしてしまう。
「起きてるからね?」
気怠げに瞳を開けて、静かに一言。
カーテンが揺れるのに合わせて、差し込む朝日に照らされながら、蒼は俺を包み込んだ。
身長の割に華奢な体は、俺の少し筋肉が付いた体を一生懸命に抱き締める。
しばらくすると、お互いの顔が確認出来るくらいの距離に離された。
「顔、真っ赤」
「先生のせいでしょう?」
「そんなの、理性切れるよ?」
「そうして。でも一つお願いきいてください」
一呼吸置いて、ゆっくり口を開いた。
「初めてなんで、そう、優しくして…」
恥ずかしすぎて顔を埋めるけれど、蒼は知っている。
俺の顔が赤い事も、耳まで真っ赤な事も。
そして、嫌がっている振りをしても、それは大好きの裏返しだと言う事を。
「保証はできない。だって、俺がどれだけ蓮を好きか知ってるでしょ?」
蒼のモノにそっと触れると、それはすぐに熱く、固くなった。
「馬鹿…っ、イクかと思った」
珍しく顔を赤らめて、焦っている蒼を見て優越感に浸る。
「今まで、触れられただけでイきそうになったことないから」
「へぇ〜」
蒼は初めてじゃないと予想していたが、やはり気に食わないので不満気に返事をする。
「お前が初めてだ」
あは、と照れ隠しに笑うのが可愛いのと、初めてと言う満足感でさっきまでの不満は無くなっていた。
蒼は重そうに体を少し持ち上げると、くるりと蓮の上に四つん這いになった。
「挿れてもい?」
「まだ、早くないですか?」
前戯もろくにしていないのに、絶対痛い。
そう思ったのに。
「だって、もうここ、ぐちゃぐちゃだよ?」
否定する間も無く、蒼は一気に押し込む。
「あっ…!んっ、ふぅ」
苦痛は一瞬だった。
繋がってると思うと、凄く心地が良くて、顔の緩みを抑えられない。
「ばかぁ…んんっ、優しくって、あっ、言ったじゃ、ない、ですかっ!」
「そんな顔して、よく言うね。ホントは、嬉しいくせに」
蒼は冷たく言い放って、腰の動きを速めた。
「センセ、だって」
本当は二人共、一つになっていることに興奮しているのだ。
「あっ、ヤバい、イク…っ!」
イク時はいつも、俺を抱きしめて、涙が零れ落ちそうな瞳でこちらを見る。
それが大きく影響して、俺も応えるように絶頂に達する。
「んっ、あっ、あぁっ」
同時に達し、俺の性液が少しばかり蒼の顔にかかった。
手ですくい取り舐め取る仕草は、実に恍惚としている。
油断していると、俺の中から白濁していて粘着質な液がとろり、と流れ出た。
それに気が付いた蒼は、じゅっ、じゅる、といやらしく音をたて吸い始める。
「やめてくださいよ、また興奮しちゃうから」
「え?何か問題ある?」
優しく微笑むその本心は、純潔なんかではない。
「もー…すき」
呟いた言葉が聞こえたかはわからないが、そのまま一日中体を貪られ続ける。
シーツには、愛のある染みが至る所に付いてしまった。
それも愛おしく思えるくらい、俺は蒼先生が好きだ。


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あとがき

題名は「挿れ初む」+「movement」と言う隠された意味が…!笑
あと、蓮が「初めてなんで、…」と言ったのにその後、イク時のことをしってるのか疑問に思った方もいるでしょう。
それは、寸前まではしてるけど、挿れるまでは行ったことがなかった、と言うことです。
自分でかいてて、ニヤニヤしちゃってます(((

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