あいすみるくを一杯。


topblognovelilustmaillink




03.理解りたいけど

<蒼side>
部屋を出てすぐ、状況を把握することに努めた。
しかしそれは、理解してはならないと本能が叫ぶ。
でもどうしても知りたかった。
なぜなら、俺にとって大事な出来事だったから。

俺は初めてここに赴任してきた時、桜が綺麗で好きになった。
でも、蓮と言う生徒に出逢って、もっと好きになった。
今思えばあれは「一目惚れ」だったのかもしれない。
桜の舞い散る中、彼は一人堂々と歩いていた。
人が惹かれるようなオーラを放ち、男である俺さえも気になってしまうほどだったのだから凄い。
俺はそんなに社交的でもないし、関わることは出来ないと思っていた。
しかし。
蓮は俺の担当を持つクラスに属していた。
そして連の方から俺に積極的に話しかけてきた。
その度に想いが募り、苦しくなってゆく。
だから、冷たく接するようにしたのに。
今日の出来事で全て台無しになってしまった。
何もかも、水の泡だ。
そんな絶望を抱きながら、その反面嬉しいと言う素直な感情を抱いていた。
しかしながら、俺と蓮は先生と生徒だ。
越えてはいけない垣根を越えてしまった罪悪感で侵食されていく。
だから俺は、蓮と少し距離を置くことにした。

[ 4/8]

[prev] [next]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -