桐生


また今日も指名をされ、処理をしに行く。
桐生はなぜ自分が指名をされるのかがわからなかった。
桐生は潔癖症である。
学生時代に付き合っていた者とですらしたいと思わなかったのに、不特定多数の者と性行為をするなど考えられなかった。
そのため、処理も他の処理課の者より出来ることの範囲も狭いのだ。
潔癖症のことは皆知っているはずなのに、なぜ指名をされるのか。
桐生はわからなかった。
それがそそる者がいるとは、まさか桐生も思っていなかった。

「桐生ちゃんに処理してもらえるなんて嬉しいなぁ」
仮眠室のベッドの上に寝転びながら社員は言った。
自分で指名したくせに、と桐生は心の中で呟いた。
「さっそく、お願いするよ」
そう言って何もしない社員。
桐生は自分もベッドへ乗ると、社員の下半身を露出させた。
社員のペニスに嫌悪感を抱く。
どうしても汚いものにしか思えなかった。
他の処理課はこのペニスに触るどころか舐めたりしゃぶったりしているのだ。
桐生にはまったく考えられない。
桐生は社員のペニスを足ではさむとすりすりと擦り始めた。
社員はにやりと笑う。
潔癖症である桐生がどのように処理するのか楽しんでいるのだ。
皆丁寧に手や口で処理するにも関わらず桐生は足でする。
この足コキが、密かに社員の間で人気になっていた。
もちろん桐生は知らないし、足でするのですら嫌なのだ。
ただ社員からすれば、嫌々足でしているのに、その間からちらちら見えているアナルはぐちょぐちょに慣らしてありいつでもペニスをくわえられる状態であるそのギャップがたまらないのだ。
クチュッ、クチクチ、ヌチッ
社員のペニスは勃起し、我慢汁が出始めた。指が我慢汁で濡れていくことに顔をしかめる桐生。
早く終わってほしくて足を思いきり動かした。
その激しさに社員はビクンビクンと体を跳ねさせて射精した。
勢いよく出た精液は思いきり桐生の足へかかる。
今すぐにでも洗いたい衝動にかられる桐生。
ただ嫌とはいえ仕事であるために、逃げ出しは出来なかった。
「ああ、足にかかっちゃったね。きれいにしなくちゃ」
社員は体勢を変えて、桐生の足に舌を這わした。
精液を取るとはいえ足を綺麗にしているのは唾液。唾液で光っていく自分の足を、もはやもぎ取りたいとすら桐生は思った。
社員の舌は足から太股へいやらしく舐めていき、ついにペニスまで舐め始めた。
自分のペニスとはいえ、排泄をするところ。よくそんなところを舐めれるもんだと桐生は自分の股の間に顔を埋めている社員を冷たい目で見た。
レロッチュッジュルッジュポッグジュッ
社員はわざと音を立てながら桐生のペニスをしゃぶった。
「おしっこのにおいがするよ桐生ちゃん」
わざと大げさに嗅ぎながら社員は言う。
桐生が嫌な顔をするのをわかって言っているのだ。
しかし嫌々思っていながらも、桐生のペニスは勃起していた。
こんな汚いことをされているのに体が反応してしまう。なんて自分は醜いのだろう。そんな思いが桐生の快感に変わるのだ。本人は自覚はしていないが。
「あっ…あーっ、んんっ、はあぁ…っ」
息をする度にいやらしい声が漏れていった。
嫌なのに喘いでいる。理解しがたかった。それでも桐生のペニスは唾液と我慢汁でいやらしく濡れている。
「イキそう?桐生ちゃん」
「イ、イクわけない…っ」
射精すればこの行為を認めてしまう気がしている桐生は、射精感を我慢した。
「大体一回出したんだから処理終わりにしても…」
今にでも帰りたい桐生はそんなことを言うが社員は一回で終らす気などはさらさらなかった。
「まだっしょ。俺のこんなに元気なんだから」
社員は桐生の恥態に誘われまた勃起していた。
「早く終わらしたいんならほら、ケツ出しなよ」
「え………挿れるの?」
「当たり前じゃん。なんのために朝からケツ穴ほじってるわけ?」
社員の言葉を不快に思いながら、桐生はワイシャツの胸ポケットからコンドームを出した。
「これはめてください」
処理課は基本コンドームなどはつけずに処理を行うが桐生は別だった。
アナルにペニスを挿入されることすら考えられないことだが、コンドームをつけることで桐生はまだ我慢が出来る。
しぶしぶコンドームをつける社員を見て、じゃあ他の奴を指名したらいいのに、と思った。
桐生は四つん這いになって社員を待つ。
正常位などはしたくなかった。
相手が見える体位はとにかく。
「ほら、挿れるよー」
社員の声とともにペニスがにゅうっと中へ入ってきた。
桐生はシーツを握り汚れることを耐えた。
「すげ、締まり…っ」
元々慣らしてある桐生のアナル。
嫌悪感にまみれながらもあっという間にペニスは締め付けながらも根本まできちっと入ってしまう。
「あぁ…っあ、あぁ…っんんっ、んあぁっ」
社員は桐生の気持ちなど考えもせず、ただ嫌がる様を楽しみながらペニスを抜き差しした。
桐生もこの行為に嫌悪しながらもペニスが前立腺に当たると身を震わせて切ない声を出した。
グチュッグチュッヌチュッパチュッパチュッグチョッパンパンパンッ
「あぁっ!あっ、はあぁ…っん、んぁあっ…やぁっ、やっ、も、あぁあんっ」
「きもちーね、桐生ちゃん」
「やっ、きもちくない…っあぁっんんっきもちよくなんかないぃ…っ」
強がる桐生に社員は笑いながら激しく腰を振り、桐生の前立腺を集中的に突いた。
「ああぁっ!あひっんあっあぁっ、それ、だめぇっ!ひあぁっあひっあはぁんっ!」
「これでもきもちくないの?」
パチュッパチュッパチュッパチュッパチュッグリグリッ
「だめっ、だめぇ…っ!も、やだぁ!あぁあんっはあぁんっあっあっあっあっあぁっ」
桐生は涙を流しながらシーツを思いきり握った。ただ思いとは裏腹に体は快感に反応してしまい、ずっと前立腺を責められ続けたため射精も我慢できなくなってしまった。
「あぁっやだっ、俺っ、犯されてるのにぃ…っああっやだっ精液出ちゃう……っあああんっ」
桐生は体をビクビクしながらどっぷり射精した。
「あはは、いっぱい出たねー桐生ちゃん。そんなにちんぽ気持ちよかった?」
社員はそう言いながらまた腰を振る。
ヌヂュッグチュッパチュンッグチュンッヌポッヌポッ
「んあぁっも、ちんぽやだぁ!あぁっちんぽ抜いてぇ!」
「あーっ、イクイク!桐生ちゃん、イクよ!」
社員はそう言って腰をカクカクさせながら射精した。
「はあ、はぁ…っはぁ」
桐生は社員がペニスを抜いたと同時にへたりとベッドに突っ伏した。
社員はペニスからコンドームを外して、精液が入っているそれを桐生に見せつけた。
「ほーら、桐生ちゃん。ザーメンだよ」
社員は桐生の顔へコンドームから精液を垂らしかけた。
「最低…っもうやだぁ…っ」
桐生は涙を流す。処理課に配属されてからもうずっと泣いている。桐生を指名する者はこんな社員ばかりだった。
「じゃ、桐生ちゃん」
社員の言葉に桐生はやっと終わったと安堵する。しかし男はにやりと笑う。
「もっかいしよっか」
「えっ…あ、やっだめぇえっ!」
男は容赦なく桐生のアナルへまたペニスを挿入した。しかも今度は不意打ちだったためにコンドームを渡していない。
「やだぁっ生だめっ生ちんぽだめぇっ!」
「あぁーやっぱ生のがいいわ。にゅるにゅるしててサイコー」
社員は桐生の言葉を無視して腰を打ち付ける。
ニュポッヌポッグポッヌチュッパチュッ
「あぁあんっひぁあっやだぁっやめてっ、汚さないでぇ…っ!」
「諦めなって桐生ちゃん。処理課は処理課らしく、ちんぽハメられてりゃあいいんだって!」
パチュンッパチュンッパチュンッパチュンッパチュンッパチュンッ
「あーやべ、生だともうイキそ」
社員は桐生の締め付けに耐えられず、すでに射精感が襲っていた。
「やっだめっ中だけはやめてぇっ抜いてっ中はらめぇ…っ!」
ドピュドピュドピュドピュッ
桐生の言葉も虚しく、社員は桐生の中へ射精した。
「あ、やだぁっ中出し…っ中出しぃ…っあっあっああんっ」
桐生もびゅーっと射精した。社員はそれを見て笑う。
「なーんだ、中出しされて嬉しいんじゃん桐生ちゃん」
そんなわけない。桐生はそれすらもう言葉に出来なかった。
大粒の涙も、もはや相手を誘うだけだった。桐生は唇を噛み締めた。
「またお願いね、桐生ちゃん」
なぜこんな最低な奴が普通の社員で自分は処理課なのか。自分が有能であれば、処理課なんか辞められるのに。こんなことでしか稼げない自分。
もう嫌だ。
桐生は涙で滲む視界から、社員が機嫌良く部屋から出ていくのを見ていた。


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