日暮


不細工というわけでもないが美人というわけでもない、中の下でもなければ中の上でもない、中の中レベルの至って平凡な顔の日暮。
処理課の中だけではなく、社内においてもいじられキャラに認定されていた。
肩を叩かれ振り向けば頬に指がささるなんてことは、日常茶飯事だ。
「まーーーた常磐さんですか…」
そして今回も同じように指がささり、相手を見れば常磐だった。
日暮は面白くなさそうに常磐を睨む。
「なんで何回も引っ掛かんの?」
「なんで何回もするんですか!」
笑顔の常磐に対して日暮はプンスカと怒った。
日暮はもともと社員からからかわれていたが、最近海外出張から戻ってきた常磐からは特に頻繁にいじられていた。
「なんでって、お前が可愛いからだよ」
「えっ…」
顔の整った常磐に見つめられて怒っていた日暮も思わずときめく。
常磐は笑顔を向けて日暮の鼻をつまんだ。
「なんちゃってー」
「もっ…もう!からかわないでください!」
一瞬ドキッとした自分を恨みながら日暮はまた怒った。
「お、俺だって忙しいんですから!今だって指名が入って処理しに行くところなんですからね!」
「あぁそう。ごめんごめん。じゃ、頑張って」
常磐は日暮の髪の毛をくしゃくしゃっと大きな手で弄ってから去っていた。


「っく、あーー、やべぇーー」
「んんっ、んむっ」
指名されて向かった処理は二人相手だった。
一人は日暮の口に、もう一人はアナルにペニスをハメていた。
串刺しの状態で日暮は懸命に処理に勤しむ。
口で処理をしてもらっている社員は日暮の髪の毛を掴むと、腰を激しく振りだした。
喉奥まで社員のペニスが入り込み、日暮の喉仏を刺激する。
嗚咽が出る隙すらなく社員のペニスが出入りする。
アナルにハメている社員が腰を振るとさらに口内の奥へ奥へと入り込んでくる気がした。
日暮はぼろぼろ涙を流しながら耐えた。
「あぁっ、やべっ、日暮の口まんこすげぇわっ!」
「っ、っ、むうう…っ!うっ、ぐぉ
…っ、んんん〜〜」
吐きそうになっているそこへ社員の精液が注がれる。
「飲めよ!日暮!全部飲め!」
飲み込む以前に、社員の精液は喉の奥へ直接流し込まれたようだった。
社員のペニスが抜かれ、思わずなにもかも出してしまいそうになるが、日暮は耐えて精液や溢れた唾液を思いきり飲み込んだ。
「はぁ…っあうっ!!」
休む暇なく今度はアナルを使っていた社員が激しく動き出す。
「イラマチオされてきゅうきゅう締め付けてよぉ、お前って変態だな日暮ィ!」
社員は日暮の尻を叩きながらペニスで突き上げる。
「あっあんっやっ痛っ、あんっ痛いですっ…!叩くのやめてください…っ!あぁんっ!」
「いいから黙って締めとけって!」
パチュンパチュングチュッ
パチンッペチッペチンッバチンッ
ヌチュヌポグポヌヂュッグチュッ
「あっあっあっあんっあぁんっ!」
「おらっイクぞ!おらっおらっ」
社員はそう言って日暮の中に勢いよく射精した。
二人は満足そうに身なりを整えだしたが、日暮のペニスは張りつめたまま射精はしていなかった。
「あっうぅ…っ、おれ、俺も、出したいです…っ」
四つん這いのまま日暮は二人に訴える。
そんな日暮を社員は笑い飛ばした。
「ザーメン出してんじゃねぇか!真っ赤なケツからよぉ!」
確かに日暮のアナルからは先程社員が出した精液がとろりと垂れていた。
単純に日暮は焦る。
「こ、こっちじゃなくて…っ」
しかし日暮の言葉は社員にかき消された。
「日暮よぉ。俺たちは処理課じゃねぇんだ。そんなにイキてぇんなら、仲間の処理課に頼めばいいだろ?」
「うう…」
結局日暮はイけないままだった

あきらかに自分は他の処理課よりも好き勝手されている。日暮は実感していた。
だけどそれは仕方がないことだった。
自分は平凡。
かっこもつけなくていい、緊張もしない、相手にとって都合のいい平々凡々な人間。
むしろ自分みたいななんの取り柄もない平凡人はからかってもらえるだけいい方だ、と日暮は考えるようにしていた。


「なーに怒ってんだよ」
体に熱を持ったまま廊下を歩いていると常磐の声がした。
日暮は思わず振り返る。
遠くに常磐がいた。隣には久遠。
それを見て二人が同期だったことを思い出す。
日暮は立ち止まって二人を見た。
「いいじゃん、ちょっとだけ。溜まってんだってー」
「一人でシてろ糞野郎」
「またここで処理して欲しいんだよ」
常磐はそう言って背を向ける久遠の尻のラインを指でなぞった。
久遠はそこで怒り持っていた木刀を振り回す。
日暮はその様子を見て、心臓の奥が少し痛くなった。
戸惑ったがすぐ原因はわかった。
毎日自分をからかいに来てはちょっかいをかける常磐。
しかし常磐から処理を願われたことは一回もなかった。
そんな常磐が久遠に話を持ち掛け、断られてもなお頼み込んでいる。
あの様子だと以前に処理をしたことがある感じだ。
「…………」
日暮は単純に羨ましい、と思った。
常磐がどんな風にして抱くのか気になった。
ちょっかいをかけてくるくらいだから、攻め方もSっぽいのか、意外と丁寧で優しいのか。
日暮はつい想像した。
どっちでも良かった。
常磐の処理相手に選ばれたい、ただそれだけを願った。
結局久遠に断られた常磐は、立ち去っていく久遠の背中を見送ってから日暮の方へ歩いてきた。
日暮はドキドキしながら立っていた。
常磐は日暮の存在に気づき笑顔を向ける。
「よ、おつかれ」
常磐はまた日暮の鼻を軽く摘まんだ。
驚く日暮。それを見て常磐はまた笑って、手を離した。
そして日暮の隣を、通りすぎていく。
「……」
処理は頼まれなかった。
溜まっていると頼み込んでいた常磐が、今手が空いている日暮を見ても、何も頼まなかった。
日暮は、とにかく、今まで以上に虚無感に襲われた。


「ちょーーど良かった。こんなとこにいい便器があるじゃないか!」
日暮がトイレで用を足していると、名波がやって来た。
「え、部長…っ、」
日暮の後ろで名波がベルトをカチャカチャと外しだした。
「しばらく立て込んでてねぇ、我慢してたんだよー。雪村くんに頼んだんだが、彼が乗ってるエレベーターが止まっちゃったみたいでね?待ちきれなくて困ってたんだ!仕方ないし、君で手を打つとするか!」
名波はそう言うと、まだ用を足している途中の日暮の腰を掴みアナルへペニスを勢いよくハメた。
「んぁあっ!」
体を揺らされ尿が便器から外れたところに出ていく。
「ぶ、ちょ、待って…っ!あぁんっ」
処理をしてもらうのが久しぶりだった名波ははじめから激しく腰を動かす。
日暮は我慢しようとするがズコズコ突かれる度に尿がチョロチョロと出てしまう。
「あんっおしっこっあっあっ!待っ…っあぅっおしっこかかっちゃう…っ!」
反動でぷるんぷるんと揺れる日暮のペニスは、尿を撒き散らす。
床や自分の脚まで汚した。
「ぶちょぉ…っ!あんっあぁんっだめぇっあっあっおしっこぉ!あぁんっ」
名波に日暮の言葉は届かなかった。
普段ねっとりと行為をする名波。しかしそれは雪村に対してだけである。
名波にとって日暮は、本当に便器に見えていた。
日暮が放尿してようがそれで汚れようが、関係なかった。
オナホールを使っているかのごとく、名波はなりふり構わず腰を振った。
グチュッグチュッパンパンパチュッヌチュッグチュッパチュッゴリゴリッズンズンッグチュッズコッバコッパチュンパチュングチュッ
「あっあっあんんっあぁっ!やぁんっ」
日暮の尿はなかなか止まらなかった。
処理の合間に上手くトイレに行かなかったため、かなり溜まっていたのだ。
黄色い尿をチョロチョロ出して、トイレはアンモニアの臭いに包まれた。
「ふっ!んっ!ふっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!」
名波が鼻息を荒くする。
久しぶり、と言っていた通り、あっという間に名波は日暮の中に精を放った。
「あっあぁあっ!」
名波がペニスを抜くと、ごぽっと音が出る程注がれた大量の濃くて臭い精液がどろっと溢れて流れた。
「ふぅー出た出た…」
日暮は抜かれても体をビクビクさせた。
放尿が終わった今、ペニスは勃起している。しかしイけていない。
名波のねちっこさなら、もう一回処理に使われるだろうか。
息を整えながら日暮が考えていると、トイレの外から誰かが名波を呼んだ。
「部長!エレベーター直ったみたいですよ!」
「おっ、本当か?じゃあ次こそ雪村くんに頼むとするかな!」
名波は身なりを整えだした。
日暮は焦る。
またここで中途半端に終わるのは嫌だった。
どうして自分はいつもこうなのだろうか。
雪村や東雲のように大事にされず、本当に処理だけのために呼び出され、その処理もめちゃくちゃに好き放題される毎日。
それも必ず誰かの代わり。
平凡な自分を一番に求めてくれる人は誰もいない。
常磐にいたっては代わりさえ勤めさせてくれない。
ああ、抜け出したい。
いじられっぱなしの日々から。
いつまでも全て受け身ではいけない。

日暮は深呼吸した。
そして腹をくくる。
「…名波部長…」
日暮は、今にも立ち去ろうとする名波の手を掴んだ。
「なんだね?君にはもう用は…」
日暮は名波の言葉を遮るように、キスをした。
処理課に勤めて数年、自分からキスをしたのは初めてだった。
日暮は名波の頬に触れながらねっとりとキスをしていく。
名波も突き放すことなく、むしろ日暮のキスに気を良くして自分から舌を捩じ込んできた。
「はぁ…っ、ん、部長…」
「…なんだね」
日暮は濡れた声で名波の耳元で囁いた。
「今日は…雪村じゃなくて、俺を使ってくれませんか…?」
日暮は手を滑らせ、スラックスの中に隠れてしまった名波のペニスを撫で回した。
「俺のエッチな穴…興奮してヒクヒクしちゃって…、せっかく部長が中に出してくれた精液…、溢れちゃうんです…。部長の太いちんこで、栓してくれませんか…?」
強要されて言ったことはあるが、自分から卑猥な言葉を並べてねだるのも日暮は初めてだった。
本心ではない。しかしこういうことが出来なければいけないのだと日暮は気付いた。
雪村や東雲はこれが出来るから、誰かの特別になれるのだ。
決して名波の特別になりたいわけではないが、日暮は自分を変えるために頑張った。
「下品な子だな」
名波はそう言った。
しかし名波のペニスは日暮の手の下でムクムクと大きくなっていた。
「雪村ばっかりずるいです…部長のちんこ、俺もいっぱい気持ちよくしますから、ね…?」
日暮は名波の返事を聞かず、膝立ちになり慣れた手付きで名波のペニスを取り出した。
つんと臭うペニス。
今までなら無理矢理しゃぶらされていたが、今は違う。
自分の意思だ。
主導権を握ったのは処理をされる側ではなく処理をする側だ。
「君、」
名波は日暮の行動をおとなしく見ていた。
日暮は名波のペニスにちゅっとキスをした。
「やらしい匂い…っ」
日暮はそう言ってから先端に舌を這わした。
そして徐々に口の中へ入れていく。
もともとフェラには慣れている。
自分のペースで出来るのが楽に思えた。
上目遣いで名波を見る。
満更でもない顔だ。日暮の行動に期待を向けているのは間違いなかった。
日暮はしゃぶりながら、自分のペニスに手を伸ばした。
自分で擦るのを見た名波はペニスをビクビクさせる。
「フェラしながら自分も弄るとは、なかなか変態だね君は…」
「部長のちんこがエッチだから…口でしてるだけでイッちゃいそうです」
日暮はちゅるるっと吸った。
しょっぱい味がする。
名波のペニスは我慢汁が溢れるように出ていた。
「はぁ…っやらしい…っ」
日暮は自分のペニスを擦り上げる手を止めず、名波のヌルヌルのペニスを頬擦りした。
「部長…、我慢できません…、俺のエッチなお尻の穴、早く使ってください…っ、じゃないと俺、部長のちんこの匂いだけで先にイッちゃいそうです…っ」
日暮がおねだりしてすぐ、また先程声をかけてきた社員がまた名波を呼びに来た。
「部長?雪村来ましたけど、いいんですかー?」
「………」
日暮は名波を見つめた。
名波も日暮を見る。
「…止めだ」
名波は呟いた。
日暮の心臓がドクッと鳴った。
だめか。
内心焦る日暮から名波は目をそらして、社員がいる入り口の方へ向いた。
「今日はもういい。…雪村くんには帰ってもらってくれ」
「…部長…っ」
立ち上がる日暮。
名波はにや、と笑ってから日暮を個室へ連れ込んだ。
「あんっ部長…っ!」
便座に座り大きく脚を広げた日暮のアナルへ名波は昂った自分のペニスを捩じ込んだ。
「嬉しいです…っ俺でいっぱい気持ちよくなってく、あぁあんっ!」
名波は日暮の言葉の途中にズコズコ突き上げた。
「あっあっあんっあっあんっ!ちんこっちんこいいですっ!あぁんっ!」
パンパンパチュッパチュッグチュヌチュグポグポッパングチュバチュッパチュッグリュッグリュッヌヂュッ
「きゅうきゅう締め付けて…っ!そんなに私のこれが好きかね…!」
「はいっあん、はいぃっ!好きですっあんっあんっ部長のっあぁん太いちんこ大好きですっ!あっあぅっあんん!」
名波は素直に乱れる日暮にまた気を良くした。
平凡な顔つきの日暮が、いやらしく、可愛く見えてくる。
最初に日暮にハメた時のことを思い出す。
用を足している最中に後ろからハメたのだ。
そしてその反動で尿をいろんなところに飛び散らせながら喘いでいた。
そんないやらしい日暮の姿を思い出して、名波は興奮した。
「あっあっまたっあぁんっ大きくなったぁんっ!あんっ部長ぉっあぁんっ!」
「きもちいいかね?ほら、自分で前を弄りなさい」
名波はもっと日暮の恥ずかしい姿を見たかった。
日暮は言う通りに自分のペニスを擦りあげる。
「あっあっいいっいいっあぁんっすごいぃ…っ!部長のちんこでグチュグチュしながらマスかきぃっあぁんっきもちいいですぅっ!」
淫らな日暮の姿に名波はもうイキそうになる。
まだイかないように突き方を変える。
しかし日暮は中を容赦なく締め付ける。
「あんっあんっ部長っあぁん早くっあんっ種付けしてくださいっあぁんっ」
「くっ…あぁ、してやろう…っ」
名波は耐えられず思いきり腰を激しく動かした。
パチュンパチュングチュッパチュンパチュングチュッパンパンパチュッパチュッグチュヌチュパンパンパチュッパチュッグチュヌチュパンパンッ
「あっあっあっイくっイくっ部長のちんこでっあぁんっイくぅう!」
「うっああ…っ!」
名波と日暮は同時に射精した。
日暮は今日はじめての射精だったため、思いきり精液を飛び散らせた。
きゅうきゅう締め付けるので、名波も搾り取られるような勢いで精液を放った。
息を荒くする名波。
日暮は首に腕を回して、名波の下唇に吸い付いた。
「部長ぉ、気持ちよかったですか…?」
名波は日暮を見つめた。
「俺…部長のちんこ良すぎて…癖になっちゃいそうです…」
名波はずるっと日暮の中からペニスを抜いた。
とろりと精液が溢れる。
「あん…っもったいない…っ」
日暮はアナルをきゅっと締めた。

名波はそのいやらしい行動から目が離せなかった。
「君、名前は」
日暮は名波に笑顔を向ける。
「日暮です」
名波は身なりを整える。
そして個室の扉を開けた。
日暮は名波の背中を見つめる。
「日暮くん、」
「…はい」
「明日、私の部屋へ来なさい」
名波はそう言って個室から出ていった。
「……………っ、はぁ…っ」
日暮は気を抜く。
アナルから名波の精液がだらだら流れた。
しかし気分は今までで一番良い。
これだ。
処理課で生きていくにはこうならなければいけなかったのだ。
日暮は何かを掴んだ気がした。



「おはよう、日暮」
廊下を歩いていると前から歩いてきた常磐がまた日暮の鼻をつまんだ。
「もう、なんですか!」
「本当いじりやすいなぁ、君って」
笑顔を向けてから立ち去ろうとする常磐。
日暮はすかさず後ろから常磐の手を掴んだ。
「あの、常磐さん」
日暮は唾を飲み込んだ。
緊張を隠して、口を開いた。
「お願いがあるんですけど」
「なに?」
常磐は首をかしげる。
日暮が色のある表情をした。
「俺のエッチな穴…、いっぱい、弄ってくれませんか」
常磐さんのちんこで、と動いた日暮の唇は、やけにいやらしかった。


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