08/27
▼ 人間とは順応する生き物だ。
それは三日前までは無かったこの少年という存在に早くもなじみ始めている自分で身をもって学んだ。馴染みすぎではないか、と少し自分と少年に苦笑が漏れる。
欠ければ痛い存在になってしまえば困るのはお互い様であるのに、彼のぬくもりが心地よくてつい甘えてしまう。ダメな大人だ。それだけ私はぬくもりに、ぬくもりを与えてくれる存在に飢えていたということなのだろうか。
それ以上に、今私のキッチンに立ち私のために料理をしている少年の与えてくれるぬくもりが、私にとって非常に甘美なものであったことに他ならない。必要以上に干渉しない(それは彼自身にもひた隠すべき事柄があるからだ、と私は勝手に思っている)し、求めもしない。ただ、そばに居る。不安定ながらも日常を送っている。その日常は私の体に侵食して離れない。
そう、これはもはや毒だ。