ぱぱぱぱ、とライフルが出しているのであろう音がへたり込む新条の耳に届けられた。それから、複数の人間が奏でる様々な叫び声と騒がしい足音も――顔を上げる事すら出来なかった。脂汗がじっとりと滲んでいた。
 今度は、ぱん、と単発の銃声も響いてきた。

「お、俺、ボクシングやってっしこれくらい余裕だから! 任せろ!」
「おい足やれや、足! 周り込めってッ……」

――駄目だ。無理だ。見れない……顔上げるのなんてとてもじゃないけど……駄目っていうか無理……、絶対無理……ッ
 
 一番やかましいのは周囲である筈なのに、自分の呼吸の音ばかりがいやに大きく鼓膜に響いた。大袈裟なくらいに深呼吸を繰り返しながら、新条はその場にへたり込むままであった。辺り一面に広がる血だまりと、もはやどっちのものなのかさえ分からない強烈な血臭が漂う。夥しい量の血が流れた事が伺える。驚愕に全身を強張らせながら、新条がほんの少しだけ視線を持ち上げた。

 あちこちに倒れる級友達の間に、もはや使い手のいなくなった銃達がなすすべもなく転がされていた。一体どれだけの血を吸ったんだ、ここの砂は――風呂桶一杯分以上の血が流れたに違いない、確認するまでもない……みんなもう手遅れだ。今は息があってももうすぐ死ぬ、みんな、死んでしまう。みんな――みんな――、

「う……」

 獣のような唸り声に囲まれる。絶望に追いつかれる。……祈りは無意味だ、希望はない……ここには地獄しかない……新条がようやく視線を上げると、級友達の肢体を貪り歩いていたゾンビ達がわらわらと自分の周りに集まってくるのが分かった。気付くと新条は両手を持ち上げてホールド・アップのようなポーズを取っていた。

「タンマ……ちょっ、と……タンマ……だから」

 上擦った声を漏らしながら、新条は何故かこんな時になって思い出す事が一つだけあった。死の危機を強烈に覚えながら、それでも思わずにはいられなかった。
 それは、家族の事だった。例の母ではなく、そして無関心な父でもない。唯一、自分に対して優しかった祖母の姿だ。それから、記憶は彼女が癌になって闘病生活をしていた時の話に遡る。先に触れていなかったけど、祖母は去年の一月の終わりに亡くなってしまった。本当は十二月くらいからもう長くはないと言われ続けていたので、自宅で年を越せたのはほとんど奇跡に近かったように今にして思う(まあ、自分は年越しは遊びの約束があったからそちらを優先していたけど)。

 祖母は初めから抗がん剤による治療を、強く拒否していた。年齢も年齢だし、自分は未来のある若者というわけでもないのだから、副作用で苦しい療養をして寿命を延ばす必要もないと言い張っていた。それよりも、残された時間を少しでも長く太く生きれたらそれでいいといって、家族の説得なんぞまるっきりのように無視していた。

 酒飲みだったのもあるせいか、肝臓と腎臓の機能も衰えてしまい、腹水の溜まるスピードが恐ろしく早かった。身体は骨と皮だけのように痩せていく一方であるのに、腹だけが丸々と妊婦のように膨らんでいた。水が溜まると苦しさのあまりか、食欲が激減してしまい益々痩せてしまい体力が落ちる。水は抜けども抜けども、すぐにまた溜まる。あまり頻繁に抜くと脳にダメージがいってしまうために、苦しいからといってすぐ抜いていいものでもなかった。

 悪循環以外の何物でもなかった。

「ここ二日間程ずっと『痛い、苦しい』ばかりで……かなり状態は悪いんですか? 食事も全然してくれなくて……」
「そうですね――ここ数日で少し、心臓の脈拍は数値が落ちている気がします……点滴を投与しましたが腕にはもう刺さらないので、脚から針を通しています。なので痛がっているのはそのせいもあるかと思われます」

 誤解を与えないようにと配慮しているのか、感情を抑えるように主治医がそう話すのを、母親が沈痛そうな顔で聞いていた。子の目線で見ても常識がないと思う母親だけど、こういう事をきちんと悲しいと思う気持ちはあるのか、とこの時内心で思っていた。

「苦しそうで見てられないです。鎮痛剤を使うのは駄目なんですか?」
「弱いものは既にもう試しました。あまり強いものを使いすぎるとそれこそ命の危険を伴うくらいに意識を失う可能性がありまして……使うにはご家族の方の同意が必要です」

 こういう事は慣れているのか主治医は至って業務的に返すだけで、それ以上それ以下でもないように新条の目には映った。主治医と看護師がいなくなった病室には、ベッドの上で苦しむ祖母と、それから母と仕事を早めに抜け出してきた父と自分がいた。
 二十歳で早々と結婚し、遠くに行った姉も知らせを聞いて今こちらへ向かっているとの事だったがまだ到着していないようだった。

「痛いー。痛ぁい〜……」
「見てられんなあ、もう。何とかしてやれんもんですかね?」

 父が看護師を掴まえて尋ねかけているが、何ともしようがないからこの状態なんだろう。何かあるならとっくにやってるって、と新条は考えていた。同時に、祖母はきっともうすぐ死ぬんだろうなあと漠然とした思いでそれを見つめていた。

「螢、あんたさっきからスマホばっか触って。ばーちゃんの手を握ってやるとかしないの?」

――遅かれ早かれいつか死ぬんだからさ。それがたまたま少し時期が早かったってだけなんだし、泣いたり喚いたりしてもしょうがないでしょ。そうする事で何か状態が変わるならいいけどさ?

 母親の非難がましい視線がぶつかってきたが、そんな事をやる資格がお前にあるのかと無性に言いたくなった。まあ、言わないけど。

「腹水の溜まり方がここ最近は尋常じゃないのよ、ほら。腹から降りてもう脚までパンパンで……」
「本当にな。可哀想に、苦しいんやろうなぁ相当。一気にドバっと抜くのは駄目なんか?」
「必要な栄養素も入ってるから駄目なのよって、わたし何度も説明したじゃん。せいぜい一日二リットルが限界。……それでもまたすぐに溜まってくんだけど」

 まさに焼け石に水、という言葉がぴったりの状況だ。父と母の会話を聞きながら、新条は何だか心底ため息を吐きたくなって、そのつもりはなかったのに盛大にそうしてしまったらしい。じろ、っと母が再び睨み据えるようにこちらを見た。

「もうさー、楽にしてやったらどうなの?」
「……何が?」
「そんな状態でも生かしてやろうとかさ、本人以外のエゴでしょ。大体延命治療は拒否してんでしょ、ばぁちゃん本人も。って事は苦しむよりはあっさり死にたいって意思表示なんだしさ。鎮痛剤、あげたら?」
「あんたね!」

 椅子から立ち上がった母親がこちらに向かってくるなり、新条の頬を一発ばかり叩き飛ばした。

「謝りなさい。謝ってよ! よくそんな事が本人の前で言えるわね!?」
「や、やめろよ美沙。病院だぞ、ここは。そんなはしたない大声を出すんじゃない」

 慌てて父がそんな母を背後から引き止めたものの、新条は何で自分がぶたれなくちゃいけないのかむしろ不愉快になっていた。いっぱしの意見じゃないか、と思っていただけに不思議にもなった。

 それから、医師の予言した通りにその時は訪れて、祖母の呼吸が一段と荒くなった。祖母は布団を被るのさえも辛い、といって脱いでしまってそれを母が再び掛け直してあげる。寝返りを打つとまたしんどい、と言って脱ぎ捨ててしまう。その繰り返しだった。

「どうかした? 何?」
「トイレ……トイレがしたい……」
「……分かった、今看護師さん呼ぶからね」

 やはり母方の血なのか、祖母は元々オシャレで綺麗な人であった。病気で倒れる前は月に一度は美容院に通い、贔屓の化粧品メーカーで新商品を探したりしながら、服屋を巡ったりなんかして、その年齢になっても女を忘れず、美の為なら修行僧のような努力も惜しまない人だった。
 それがこんな姿を見られて、どうだ。娘だけじゃなく娘婿にも排泄物なんか見られて、若い男の看護師にまで下の世話なんかさせられて、きっと死ぬより辛いんじゃないか? 俺なら死にたいよ。絶対。いっその事、自害したいっすよ。

「大丈夫だよ、新条さん。ちゃんとおしっこ出てますからね〜」
「あ、あの、看護師さん……さっきから目の動きがおかしくて……」
「ん、大丈夫ですよ。モニターで心臓の動きはこっちで把握してますから。何かあったらすぐに言いに来ますんで」

 なーにが大丈夫だよ。大丈夫じゃないから、ここにいるんだろ。救ってみせろよ? お前ら医者の癖して。それが仕事の癖して。
 いよいよ、祖母に残された時間が少なくなり始めた。呼吸がいっそう荒っぽくなり、さっきまでは漏らしていた筈の呻き声さえも、もはや上げなくなった。代わりにヒクッ、ヒクッ、と喉の奥に詰まるようなしゃっくりのような呼吸音が響いてきた。

「私、ちょっと美冬に電話してくる。パパと無事に家に着いたかしら」

 美冬というのは姉の事だ、病室にあまり大勢残るのは駄目だと注意されてしまい結局母と新条が残る事になった。新条が選ばれた理由は、祖母が可愛がっていたから、きっと意識がはっきりしていたら彼を選んだだろうという憶測からだった。
 母がスマホを片手に病室を出た後、新条はベッドの上の祖母に近づいた。忍び寄る死の気配と戦っているのであろう祖母の目は虚ろで、自分の姿など捉えていないように見えた。先程主治医が、「五感のうち、人間は最後まで聴覚が残りやすいんです。だから、会話は聞こえていると思いますから。お名前を、どうか最後まで呼んであげて下さい」と言っていたのを、ふと思い出した。

「……ばあちゃん」

 嘘だろう、どうせ慰めというか気休めなんだろう、と思いつつも呼んでみた。それで、やっぱり反応はなかった。

「ばあちゃん」

 もう一度念の為に声に出したが、同じだった。しかし、今度は、あちらに向けていた身体を新条の方へと動かしたようだった。偶然寝返っただけだろうとは思ったが新条は、肩を竦めて少し目を見開いた。恐る恐る、手を伸ばして、手すりに掴まる祖母の指先に向かって触れてみた。

「な、なあ。ばあちゃん。俺だけど、さ……まさか分かるの?」

 きっと冷たいのだろう、とっくに冷え切っているのだろうな――と思っていた祖母の手は意外にもまだ温かかった。昔よく感じた手の温もりを思い出させるには十分過ぎる程だった。

「――、ばあ、ちゃん……」

 それで今度ははっきりと驚いて、もう一度言った。言わなくてはいけない、と心のうちのどこか、いつもならば自分が関与しないような場所で誰かが言えと言った。気がした。

「ばあちゃん。俺、ここにいるからね」

 今度は耳元ではっきりと告げると、もう意識なんかないものだろうと思っていた祖母が一つ頷いた。……反応が、ある。微弱だったけど、確かに。苦し気な調子ではあったが今、確かに祖母は――。

「ばあちゃん……ばあちゃん!」

 それから、主治医と母が同時に部屋に戻ってきた。背後が少し騒がしくなり、部屋に置いてあった長テーブルや荷物をどかされた。

「先程から少し心臓の数値が著しく下がっていますね。少し見てみましょうか」

 主治医が祖母の耳元で大きな声で名前を呼んでいた。肩を何度か叩いた。ベッドを挟んだその向かい側で、新条が言った。

「その――さっき、俺の声に頷いたんですが、それでもヤバイんですか?」
「ええ、かろうじて意識があるといったところでしょうか。あと、我々に出来るのはいかに苦しさを緩和できるか……といった部分にあります」

 死ぬ、という言葉を避けたけれど、つまりあとどのくらい祖母が持つかは知らないけれどどれだけ楽に逝かせてあげられるのか。選択肢はそれだけしか残されていない、助かる、助からない以前の話だった。――初めからそうだった。そうだったのに、俺は……。
 祖母の手が手すりから外れ、一瞬ばかり新条の指先に触れかけた。

「ばあちゃん……」

 こんな時になって祖母との記憶が甦った。祖母とは小学校高学年くらいから、あまり喋った記憶がない。思春期に入りかけた子ども特有の、『家族と話すのが恥ずかしい』みたいな気持ちが芽生えて自分から避けていたのもある。
 それでも祖母は、嫌な顔一つとせずに自分に話しかけてきた。そしてそれを自分は鬱陶しいと思って、無視したり、時には露骨に顔に出したりもした。母とうまくいかなくて、祖母を責めた事もあった。あんな奴、産まなければ俺だって生まれずに済んだのに! とか、そういう酷い口の利き方をした。

『螢ちゃん、あんたは誰に似たのかほんと男前やねぇ。美沙があんな事言っても気にしたらいかんよ、お祖母ちゃんが今度叱っておいてあげるから』

 こんな時になって、こんな時になって。
 俺、さっきなんつった? 苦しむくらいなら死なせてやれよって?――今、俺の手を握ろうとして、呼びかけに反応したこの人を前にして、死なせてやれよと?

『美沙が何か言ったらしいけど、手術なんかしなくたっていいんよ。祖母ちゃんが病院に電話してあげるよ、そんな事やめますって』

 この人だけだった。俺の事、最後まで気にしてくれて、思ってくれていたのは――なのに……、

「お母さん。ねえ、お母さん! お母さんたら!」
「鎮痛剤の量を増やしますか? 苦しそうに見えますが、ほとんど酸素が脳にいっていない状態なので、ご本人さんはきっと苦しんでいないと思いますが――」

 医者の深刻そうな表情と声がして、事態は相当切迫しているのだと思い知らされた。もう、猶予なんてものも存在しない。新条はそこで初めて、闘病生活に入った祖母と対面して以来初めて、涙を流していたのだった。

「ばあちゃん……」

 ごめん。バカでごめん。最後まで俺、祖母ちゃんに酷い事しか出来なかった。
 記憶が急速に巻き戻り、そして再び、現在の自分へと。新条は生臭い息を吐き出す死者の群れに取り囲まれて逃げ場などない事を知った。こいつらに八つ裂きにされて俺は死ぬのか。でも、祖母ちゃんの辛さに比べたらきっとマシだ。そう思えば何とか耐えられる気がした。

 目の前の現実を少しでも打ち消そうと目を閉じた瞬間、風を切るような素早い音がして――それから生温かい水が飛んできた。片目をうっすらと開いた。……血。それも、自分の血ではない……。

「っ……!」
「――新条ッ! 無事かい!?」

 冴えない眼鏡姿のチビっこが、自分の名前を叫んでいる。その背後から、でぶっちょが飛び出してきて短い手足で何やらバタバタと暴れている――いや、違うか。戦ってるのかあれは――姿が見えた。

「う、っうぉおお! 新条、今助けるぞっ!……オタクパンチ、オタクキック!!」
「七瀬……、前田……」

 手を突いた姿勢のまま新条が呟き、それから目の前で首を失くして倒れるゾンビの背後――刀を構えた金髪が視界に飛び込む。夥しい血飛沫が舞い上がり、地面はまたもや生き血を吸い取ったようだった。

「それにホストまで――」

 キルビリーはそれで攻撃の手を緩めずに、すぐさま隣のゾンビと対峙した。七瀬と前田は別にして、このキルビリーという男。そしてロッキンロビンという女(恋人という間柄には何となく見えない、何となく直感みたいなものだけど)、更に那岐の三人。彼らはやはり人ならざる何かがあるのだろう、とてもじゃないが事態に適応するには早すぎるというくらいの順応性さで立ち振る舞っている。
 ほとんど三人の功績だと思うが、事態が収束の兆しを見せ始めた。さっきまではあんなに人数がいて、武器があったというのに、自分を残して全滅してしまったにも関わらず。

「お、おい――武器が……銃が落ちてる。どういう事だ?」

 散らばる肉片や、犠牲者の残骸。決して気持ちよく見れるものではない。柏木が口元を押さえながら、辺りに転がるライフルを拾い上げていた。

「ありがたく使っておけばいいんじゃねぇの。お前ら、それがないと駄目なんだろ」

 刀の血を払いつつ、キルビリーがいつものぶっきらぼうな調子で返す。彼はきっと意識していないんだろう、これが素というか生来の性格なんだろうと感じる。嫌味のつもりでもないのだろうし、柏木は「そうだな」と返した上でしゃがみこみ、その銃器を拾っていた。

「これ……全部同じ学校だったんだ。――あまりまじまじ見れないけど、全員やられちまったんだね」

 凄惨なその場面に吐き気を嚥下するようにして、七瀬が呟いた。死体の間を歩くと、靴底が血だまりの上でぴちゃぴちゃといやったらしく粘り気のある音を立てた。

「――そうだ。みんな死んでるよ、確認するまでもないんじゃないか」

 お礼を言うよりもまず新条はそう言って、それから吐き出すようにして続けた。――あの時と、祖母が死んだ時と似たような気持ちだった。

「俺なんかが一人だけ生き残っちまった。……俺、なんか……、が……」

 本当は祖母の代わりに俺が死ねばよかったのかもしれない、あの時からずっと思い続けてきた誰にも言う事のなかった本音。明るくて、世話好きで、オシャレで誰かれも好かれる性格だった祖母。自分なんかと違って必要としてくれる人間がきっと沢山いた筈だったのに。

「いいんだよ」

 自分の傍にまでやってきていた前田が、新条の肩を何気なく叩いた。只一つだけ、それだけだった。続けて言った。

「誰がとかそんなの関係ないよ。生きてる人がいた、それだけでも十分じゃない。無事で何よりだよ」

 彼の前では泣く事はしなかったけど、彼が背を向けた後、新条はこっそりと涙ぐんでいた。水浸しになる視界の中、祖母がまだ病魔に苦しむ前の元気だった頃の姿を思い浮かべていた。それから、思い直していた。――いや。そんな事を考えてると知ったら、もっと祖母ちゃんを悲しませる事になるに違いない。もう卑屈な考え方は出来る限りやめるんだ、そう。出来るだけでも。
 




う〜ん。難しいよねえ。
エゴはエゴだろうけど、目の前で何とか耐えてる命を見たら
早く楽に殺してあげてとか言えなくなる……
状況にもよるだろうけどもう見るも無残な
血だるまとかで殺して〜殺して〜って
状態だったら早く楽に! ってなるかもしれないけど
そういうのとも違うからな。これは。
しかもそれが身内だとしたら尚更だろう。
けど、前やんがいて良かったなあ新条。
見た目や外面はリア充になれた新条だけど
中身は非リアの考え方のそれなんだよね。彼は。
そしてそれにあんまり気付いていないしw
でもなんかこう、否定できないなあ。
新条、わたし応援する。

18、あのキラキラした綺麗ごとも全部

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