白雪王子4
(イタチ)変態



「んっ…」

射し込む陽射しにうっすらと目を開けると、自分が寝ているのはふかふかのベッド。少し目線を下げたら、そこにはすやすやと寝息を立てて眠る**の姿。一瞬驚いて飛び起きようかと身構えたが、彼女にがっちり掴まれている左腕を見て、彼はまた大人しくなった。綺麗な栗色の髪、長いまつげ、いかにも柔らかそうな唇。吸い込まれそうなほどに見とれてしまうこの姫が自分の許嫁だなんて、人生捨てたもんじゃない。そう思いながら、彼は自分の身体の変化に気付く。下半身の中心が、物凄く熱い。

「なんで…こんなに硬く、」

今までここが硬くなったことは何度かあったけれど、ここまで我を忘れそうになるほど苦しい状態になったことなど産まれてこのかた1度もなかった。イタチは右手をそろそろと伸ばして**の後頭部に宛がい、彼女の唇に自分の唇を触れ合わせた。幸い、彼女は目を覚まさない。しかし今の行為で余計に硬度と質量を増す自身の熱。彼は衝動のままに右手で腹につきそうなほど立ち上がった男根を握りながら、彼女の口内に舌を割り入れた。そして右手で男根をゆるゆるとしごき上げる。

「ん、んんぅ、」

流石に無理矢理ディープキスをされた**が目を覚ましたけれど、イタチはもう止まれなかった。彼女の舌に舌を絡め、柔く吸う。その行為に目をつむり耐えている彼女の火照った顔が余計に彼を煽り、欲を掻き立てた。それに比例するかのように自然と右手の速度も上がっていく。だが、あともう少しというところで突然彼女に右手を抑えられてその行為は中断された。

「っ…はぁっ、っ、」
「…うちは様…私と接吻している間にも忙しなく動くこの右手は、一体何をされているのですか?」

**は切ない表情でイタチを見上げる。布団の中に隠されていて見えてこそいないが、彼女はきっと本当に知らないのであろう。イタチは、自身の右手を伝ってだんだんと上に上がっていく彼女の左手を慌てて掴んだ。流石に、こんなものを姫にいきなり掴ませたとあっては婚約者であっても色々と咎められる。しかし、あやふやな回答を返したところで彼女がすぐに引き下がるとも考えられなかった。

「…**様に対する思いが強くなるあまり…耐えられなくなってしまったのです」
「…なにが、です?」
「…」
「それは…この手の中にあるものと関係があるのですか?」
「これを解放すると、楽になるのです。」
「私は…見せていただけないのでしょうか…」

どきん、と一瞬心臓が跳ねる。言われるだろうとは思っていたけれど、しかし当然ながら出会って1日しか経っていない姫に自身の性器を見せるのはかなり抵抗があった。婚約者と言うだけで、まだ夫婦でもないのにこんなことをして良いのか?でも、実際欲に負けそうになっている自分もいて。正直なことを言えば、いっそのこと打ち明けて、さっさと気持ちよくなりたかった。

「…見たら…幻滅してしまいます」
「そんなことありません、うちは様がそうと言うことは、世の殿方は皆そうなのでしょう?それに…私はうちは様の許嫁にございます、嫌いになることなどございません!」
「…後悔、しないと誓えますか?」
「はい!」

力強く頷く**に心を決め、イタチはゆっくりと布団をめくり上げる。衣服を持ち上げるほどに高く反り立つそれを見て、彼女は小さく叫び声をあげた。だが好奇心が勝っているのか、彼女は身体を起こし、顔を近くまで寄せて興味津々といった風にそれをまじまじと見つめている。

「こ、これは、腫れているのですか?」
「あぁ…そう言うことになりますね」
「…触ってみても良いですか?」
「…っ、」

**がさわさわと撫でる度にぴくんと動く男根。それにいちいち驚きながら、あどけない顔で痛くないのですか?などと聞いてくる彼女を今すぐ押し倒したい気持ちをぐっと堪え、イタチは歯を食い縛った。

「…これはお医者を呼んだ方がよいのでは…?」
「医者など呼ばなくても…、男は皆、好きなおなごと寝たらこのようになるのが当たり前なのです。」
「好きな…?」
「**様が好きだから、こうなったのです」
「えっ…」
「なのでこれを治せるのは**様しかおりません。」

苦し紛れにあながち嘘ではない綺麗事を連ねれば、彼女は顔を赤くして俯いた。少々ストレートに言い過ぎたか?そう思った矢先、彼女は口を開く。

「それは…性交と言うものですか?」
「な、なぜ、それを」
「以前教師に習ったのを思い出しました。それも確か…殿方のここにあるものを使う…行為だった気がします、」

**は、先程とは違う強い、覚悟を決めたような表情でイタチを見た。

「私…うちは様となら、どんなことでもいたします!」

嗚呼、彼女はどこまでひた向きなのだろう。むくむくと沸き上がる「好き」の気持ちをぶつけるべく、彼は彼女を抱き締めて熱いキスをした。




To be continue ...

2013/06/14
朱々


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