両手に薔薇


※裏
鈴ちゃんへ 28200Hit記念



「…なんで、こんなことに」
「誘ってきたのはお前だろう?」
「誘ってなんか、んっ!」


言葉を遮るように深く重ね合わせられた唇、とたんに酸素が不足した私の頭はくらくらした。私は今、恋人であるイタチの部屋にお邪魔していて、さっきまでこれからどこかに出掛けようか、なんて話をしていたはずなのに、次の瞬間目の前には天井。イタチの言い分を代弁するならば、「私の服装が彼の理性を煽った」と言うことらしいのだけど、季節は夏、薄着になるのは当然、…いや、必然的だと思う。


「…○○だって嫌じゃないんだろう?」
「待って、…確かに嫌ではないわ、嫌ではない、だけど…なんで…多重影分身…」
「たまにはこういうのも悪くはない。」
「ちょっと、待っ」


私が跳ね起きるよりも早く、私の口に無理矢理押し込まれた太く熱い男根に酷く吐き気を覚えた。喉の奥が圧迫されて嗚咽を漏らす、けれど彼はお構いなしに私を見下ろした。


「○○、」
「ん、んぐぅ、」


既に彼の男根の先から滲み出ている先走りに顔を歪めながらも、それに手を添えて舌を動かす。彼の腰が、時々ゆらりと揺れた。


「…気持ち良いの?」
「あぁ…とても…」


そう言いながら、彼はもう1人の自分(影分身)に目配せをする。すると、影分身のイタチは私の服を脱がしにかかった。だけどイタチの男根をくわえているお陰で抵抗ができない私は、多少の諦めも手伝って、分身君にされるがまま。そんな無抵抗な私の姿を見て、彼は満足そうに私の髪を撫でた。そして分身君は私の服を脱がせたあと、私の秘部に そっと顔を寄せた、


「んんっ!」
「どうした?口の動きが止まったぞ。」
「んー!」
「気持ち良いだろう?俺の分身だ、○○の感じるところは熟知している。」


物凄く恥ずかしいけど、イタチの言う通り。もう1人のイタチは、私の秘部に顔を埋め、わざとじゅるじゅるぴちゃぴちゃと大きな音を立てながら そこを舐め、啜る。正直な私の身体は既に熱く火照り、その秘部からは愛液がぽたぽたと溢れ出していた。暫くしてフェラに満足したイタチは、私に軽く口付けた後、突然私の胸の頂を吸う。


「ふっ、あぁ!」
「もう乳首をこんなに腫らせて…」
「次は俺のを舐めろ。」
「ん、ぐっ」


間髪入れず口に押し込まれるイタチの男根を受け入れ、激しく舌を動かす。猛々しいそれに緩急つけて吸い付けば、途端に険しくなるイタチの顔。フェラに没頭している私の秘部に、いきなり衝撃が走る。ぐっ、と突き刺さる太く熱い男根を、濡れそぼった私の秘部はすぐに飲み込んだ。


「○○っ…、動くぞ…」
「ふうっ、んっ!」


バックの体勢で、私の腰を掴み最奥を突いてくるイタチと、私の後頭部をしっかりと固定し、喉の奥まで男根を突き立ててくるイタチに犯されながら、声にならない声で喘ぐ私。2人のイタチは容赦なく私の身体に男根を打ち付ける。そして、そんなシチュエーションに不覚にも感じ濡れてしまう自分が恥ずかしい。けれど、恥ずかしさよりも快感に溺れたい気持ちが勝る私に、性交を止めるなどと言う考えは更々なく、むしろ負けじと男根を強く吸い上げた。


「…そろそろ出すぞ…っ」


こくん、と小さく頷く私を確認した後、軽く腰を振り、イタチは私の口内に白くほろ苦い液体を迸(ほとばし)らせる。私は喉を鳴らしてそれを飲み込み、イタチの男根をぺろりと舐める。その後すぐに目の前の影分身は霧となり消えた。


「ん、もう3Pはいいの?」
「充分だろう?次は俺の番だ、」


正常位の体勢に反転させられ、足を肩まで上げられたら当然のように抵抗はできず、一層深く繋がったそこからは厭らしい水音が耐えない。そして同じく耐えることのない快感の波に、○○の喘ぎ声も止まることを知らなかった。


「んっ、あぁっ、イく、イっちゃう、ぅ」
「どうしてほしいか言ってみろ。」
「い、イタチのでイきたい、イかせてほしい、です、っあぁ!」


また速くなるスピード、容赦なくポルチオを擦り刺激する男根の先、チカチカする意識。イタチの背にしっかり手を回すだけでも精一杯。喘ぐ○○の耳元で、イタチが囁いた。


「中に出すぞ…っ」


ぐっ、と最奥で動きを止めた男根の先から勢いよく溢れ出る精液。クリトリスを弾かれれば身体中がビリビリと痺れ、○○の身体は弓なりにしなる。イタチは繋がったまま、○○の身体をぎゅうっと抱き締めた。首筋に荒い吐息がかかり、思わず感じてしまう。


「今日は特別淫乱だったな、」
「イタチが変なことしたからでしょっ…!」
「○○があんなに感じるなら毎日でもしてやるんだが、」
「もう嫌…私は貴方だけ感じたいの。例えイタチの影分身でも嫌だわ。」
「ふっ…冗談だ、気にするな。」


ゆっくり男根を引き抜くと、こぽっ、と流れ出る精液。他愛もない会話をしつつ、情事の後始末もそこそこに、2人は気持ちの良い眠気に飲まれていく。
○○はイタチの胸に顔をすり寄せ、満足そうに目を閉じた。


両手に薔薇

(それはそれは素敵な時間でした。)


2012/05/23
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thank you!! :)



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