当たって砕けて咲き乱れよ乙女


甘(学パロ)
ちさと様へ 23400Hit記念



「決めた!」


私は1人ベッドの上に立ち、拳をかざして高らかに叫ぶ、


「私、明日イタチに告白するわ!!」
「分かったから静かにして、私は眠いのよ」
「…すいません小南」


今は修学旅行真っ最中、普段大人しい私が告白するチャンスなんて、イベント事でテンションがハイになる今しかないのです!!

さて、そうと決まれば即行動。私はこっそり部屋を抜け出し彼の部屋へと向かった。(女は度胸)修学旅行の期間は3泊4日、まだまだチャンスはあるけれど、散るなら早く散りたいじゃない。玉砕覚悟で何が悪い、イタチは女の子に物凄く人気で、いつも競争率激しいから勝つ気なんてさらさらないけど、だけどどうせなら自分の気持ちくらい伝えたい、卒業まで誰にも言わない恋心なんて絶対に嫌だ。


「○○?」
「はっ、はい!?すいません先生!今すぐ部屋に戻るので反省文は勘弁してください!」
「…馬鹿か、俺は先公なんかじゃないぞ。」


瞬時に土下座していた頭をゆっくりと上げれば、そこには目的地(イタチ)が居て、私は思わず目を見開いたまま硬直した。


「…へ?…イタチ、」
「それに高校の修学旅行で消灯時間が云々言って見回りしてる教師なんか居ないぞ。」
「ごめんなさい…あ、イタチはここで何してるの?」
「あぁ…お前も一緒に来るか?」


そんなこんなでイタチの後ろにくっついて歩くこと約5分、私は気付けば砂浜に立っていた。夜中だからあたりは真っ暗なのだけど、それでも海がすごく綺麗なのがよく分かった。


「綺麗…!」
「ここは海が綺麗な所だからな…昼間行かなかったのか?」
「多分、明日のグループ研修で行くんだと思う。」
「あぁ…そうか、そうだったな。」


幸いなことに、私たちはグループが一緒なため、明日(さっき日付が変わったから今日かな、)からは結構な頻度で行動を共にすることになる。だからこそ、私は色々とハッキリさせたいのだ。


「あ、あのさ、」
「なんだ?」
「イタチは…彼女とかって要らないの?」
「…それはどういう、」
「いや、沢山いるじゃん、イタチに告白する女の子…だけどみんな断ってるみたいだから、さ、」
「…○○には関係ないだろう?」
「そ、そうだよね、私なんかには関係ないよね!…ごめんなさい…」


やっぱり、イタチは彼女なんていらないのかな。だって、今まで何回も告白されているのに誰とも付き合ってないってことはそう言うことでしょう?


「それに告白されたからと言って付き合う訳じゃないからな。」
「そうなの?」
「…当然だろう?○○だって、好きでもない男に告白されたら付き合えるのか?」
「あー…無理ですね…」
「そう言うことだ。」
「じゃぁ、イタチは誰が好きなの?」


もう良いや、まどろっこしいのは嫌だ、聞いちゃえ!
どうせ散るんだからいつ聞いたって同じ。どうやら私はそれくらい今日に賭けているらしい。


「随分直球で来たな…」
「うん!」
「…○○は俺のことが好きか?」
「えっ?なんで?」
「興味がない男に、わざわざ『誰が好きか』など聞かないだろう?」
「そ、そんなもんかな?」
「…逆に聞こう、○○は誰が好きなんだ?」
「…それって…」



「やっぱり、あんた達はくっつくと思ってたわ。」
「なんで!!」
「イタチは長門、あんたは私にお互いの話をしてたからね、隠れた恋のキューピッドは私よ」
「だからグループ研修のグループがこの4人だったのか…」
「俺たちに感謝するんだな。」
「なんかムカつく…!」


!!

(散らなくて良かった…)


2009.5/16
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