もしも願いが叶うなら



麗奈様へ 18400Hit記念



「○○、今日は手裏剣の稽古見てくれるって言ったよね?」
「うん、ずっと前から約束してたもんね。」
「やったぁ!」


サスケがアカデミーから帰宅してきたかと思ったら、笑顔で私に話しかけて私を裏山に連れていく。それをさっきから大人しく見ていたイタチは、それが物凄くつまらなかったらしく、急いで追いかけてきて私の服の裾を掴んだ。


「…俺も行く。」
「うん、じゃぁイタチも一緒に行こう?」
「あぁ、」


結局3人で裏山に向かったは良いが、私がサスケに指導しているとイタチがずっとこっちを見てくるのでとてもやりづらく、私は仕方なく彼に注意する。


「イタチ…恥ずかしいからあまりこっちばっかり見ないでくれる?」
「どこをどう見ようが俺の勝手だろう?」
「うっ…」
「兄さん、○○に迷惑がかかるようなことするなよ!」
「○○がハッキリしないからいけないんだろ、」
「え?」


カッ、

イタチが呟いた一言が上手く聞き取れなくて、聞き返したら目の前の丸太に勢いよく突き刺さったクナイ。投げられた方向に顔を向けたら、イタチと目が合った。


「別に…なんでもない」
「何よそれ…」
「○○、手裏剣の稽古の続き!」
「あ、うん、そうね、じゃぁもう1回!」


さっきのイタチの切なそうな顔、あれは一体なんだったんだろう、何があったんだろう。私が何かしてしまったのかな、それとも


「○○?」
「な、なに?」
「今のどうだった?」
「あ…あぁ、ど真ん中に刺さってるじゃない、凄い凄い!」
「ほんと!?」
「うん!…あ、○○、あのさ、」
「なに?」


いきなり、何かを思い出したかのように私に話しかけたサスケは、頬を赤く染めて私の耳に顔を近づけて小さく囁いた。


「僕が下忍になったら、付き合ってくれる?」
「えっ、」
「○○は俺と結婚するんだ、残念だったな、」
「えー!○○は僕と結婚するんだよ!」
「ふふっ…あはは、」


私が思わずふきだすと、2人は同時にこちらを見つめて私に返事を促す。しかし私が今結論を言い渡せる訳もなく、とりあえず彼らの手を握って笑った。


「2人ともとても大事な人だから今は何も言えません!以上!」
「そんなのズルい!」
「ずるくて結構でーす」
「ナンセンスだ」
「センスなくていいです!」


ごめんね、私はあなたたちが本当に大好きだけど、あなたたちのような立派な一族の出の高貴な身分の人に、何の取り柄もない私は似合わないから。答えられないのにはそう言う理由もあるんだ、解ってね。

でも、今のこの幸せがずっと続いてくれれば良いのに、と、こころの隅で小さく願った。




(ずっと彼らと生きていきたいです。)


2009.5/14
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thank you!! :)



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