少年少女青春を謳歌せよ


ギャグ甘
くるる様へ 14300Hit記念



「もうあんたなんか知らない!」


ぱんっ!

誰も居ない帰り道で乾いた音が響く。私は涙を流しながら走り去ろうと後ろを振り返った。最低、どうせあの人は私なんてどうでも良いんだ。いつも勉強しかしてないし、頭の中は任務でいっぱいだし、気付けば他の女の子に囲まれてるし。こんな思考しかない私が一番醜いんだってことはとっくに分かってた、だけど、


「私は…イタチの彼女だったのに…」


しかし、改めて今までを振り返ってみると、彼女らしい扱いはあまりしてもらえてなかったようにも思えてきた。それに更に腹を立てた私は、また勢いよく振り返ってイタチを睨む。


「なんで私なんかと付き合ってたのよ!」
「は?」
「だから、なんで私と…」
「俺たち、付き合ってたのか?」


ばちん!

また、本日2度目の鈍い音が響く。今更何よ、それ。3ヶ月くらい前にそっちから言ってきたじゃない、「付き合ってくれ」って。そこまでして私と付き合いたくないなら、もう良い。だけどそう言い放ったあとも、彼はきょとんとした顔をしていて、私はこれ以上ないというくらい凄く腹立たしかった。そして更に彼は私に大打撃を食らわす。


「あれは『任務に付き合ってくれ』と言う…意味だったのだが…」
「…え?」


なになになになに、何事?私、耳聞こえない。確かにあの後すぐに2人で任務に行ったけど…じゃぁ何、今まで私は1人で勘違いして生きてたの?まさかの展開に恥ずかしくて顔が合わせられない、大体なんでそんな大切なこと、もっと早く教えてくれなかったの、どうして今まで何も言わなかったの


「じゃぁ…私のファーストキスとか、手を繋いだりとか、休みの日のデートとか…全部、遊びだったの?」
「俺は、○○のことが好きだからしたんだが…」
「ちょっと、これ以上話をおかしくしないで!」
「要するに、だな…」


○○が好きだったから、自ら近寄ってきた○○とキスやデートをした。だけど正式な恋人同士ではないから、少し距離を置いたらビンタされた(冒頭)。そう説明したイタチに、○○は酷く脱力した。なんだ、つまるところ結局は両想いだったんだ。


「強く叩いて…ごめんなさい。」
「いや…○○が俺のことを彼氏だと思っていてくれていたと知れたから、良かった。」
「イタチってMなの?」
「決してそう言う訳では。」
「…これから…どうするの?」


お互いに付き合っていた訳ではないと解ってしまった今、一緒に居ることは少し不自然で。戸惑っていた○○の耳元に、イタチが口を近付けた。


「俺は、○○と一緒に居たい。」
「…え、ちょっと待って、良く聞こえなかった、もう1回!」
「調子に乗るな。」
「あ、待ってよ、どこ行くのっ」
「家に帰る。早く彼女を紹介したいからな。」
「イタチ、彼女いたんだ…」
「…貴様、」




(今しか出来ないことがある。)


2009.3/19
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