甘い薔薇の落とし方



梨花様へ 11111Hit記念



「○○、愛してる。」
「っ、…」
「…○○?」


何も話そうとはしない○○の顔を覗き込むと、案の定彼女の顔は綺麗に赤く色付いていて、それを見てイタチはくすりと笑った。


「照れ屋だな、○○は。」
「い、イタチが簡単にそういうこと言うからぁ!」
「…『言うから』?」
「は、恥ずかしく…なっちゃうんだもん…」
「○○はなんでも俺のせいにするんだな。」


イタチは○○に理不尽なことを言いつつ、その華奢な身体を自らの腕の中に収める。すると彼女は先ほどよりも更に大人しくなり、両手で顔を覆った。


「顔を見せろ、○○。」
「いやっ!」
「…仕方のないやつだな。」


ぐっ、と無理矢理腕を押さえ付け、柔らかい唇に唇を深く落とす。暫く経ってからゆっくり顔を離すと、ちゅ、と言うリップ音がいやに部屋に響いた。


「…好きだ、○○、冷やかしなんかじゃない、本当に愛してるんだ。」
「本当に…?」
「あぁ、本当に。」
「じゃぁ、もう『愛してる』って言うのやめて?」
「…は?」


○○の頼みに、イタチは少し怯(ひる)む。『愛してる』と言う言葉が使えなくなったら、一体自分はどうやって彼女に愛情表現をすれば良いのだろうか。大体、恋人にその言葉を禁止する意図とは一体。


「落ち着け○○、その言葉だけは」
「私のことを本当に愛してるなら、そんな言葉必要ないでしょう?」
「そんなことはない!…あぁ、言葉で愛情表現できないと言うことは、行動で示せと言うことか。」
「え、」


何を思い付いたのか、イタチは○○を軽々と抱き上げ、奥の寝室へと運んでいく。


「ちょっと待って、なんで寝室に」
「こうして欲しかったなら、早く言ってくれれば良かったんだ。」
「は?」
「遠慮なくいただく。」


そう言うが否か、服の中に滑り込むように侵入してきたイタチの腕に、とうとう○○は諦めた。もうここまで来てしまったら後戻りなど出来ないと言うことを彼女は知っている。それに、どんな形とは言え彼に火をつけてしまったのは自分なのだ。

2人が抱き合う度、ベッドがぎしりと軋んだ。




(只、ひたすらに愛せば良いのです)


2009.3/10
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thank you!! :)



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