「んーっ!プールー!!」

燦々と照りつける太陽を全身に浴びたヒメはプールサイドで大きく伸びをする。身に纏っている水着は暁の外套と同じ黒地に朱雲柄のデザイン、形は勿論ビキニだ。そこそこ豊満な胸をぷるんと震わせて顔だけこちらにひねるその仕草になんとも言えぬ気持ちになりながら、俺は準備体操を始めた。そんな俺を真似て隣で屈伸を繰り返す彼女の愛しさったらない。やはり少し無理をしてでもこうしてプールに連れてきてやった甲斐があった。そこそこ身体をほぐしたあと、彼女は俺の手を引いてプールサイドまで歩く。

「イタチ、今日はありがとね。」
「いや、気にするな」

暫くデートらしいデートにも連れてってやれていなかったし、このくらいは当然のこと、そう言えばヒメはにっこり笑った。ああ、ビキニ姿でこれはやばい。最近は忙しくて、ほら、あっちの方もなかなかに御無沙汰だから。ごくりと唾を飲み込んだ俺に気づかぬまま、彼女はとぷんとプールに身を沈める。イタチ、早くぅと水をかけられ、慌てて後を追った。暑い陽射しとは正反対の冷たく心地よい水がすうっと肌に染み込むような感覚が身を包む。持ってきていた大きな浮き輪に乗りぷかぷかと浮かぶヒメと一緒にただゆらゆら揺れていると、ふと悪戯心に駆られた。

浮き輪に全体重を委ねている彼女の背中から膝までが水の下に浸かっている。彼女自身の目からは見えないのを良いことに、尻の中心をつうっと中指でなぞり上げた。ひぃ、と小さく悲鳴を上げるも、同じプールで遊んでいる他人が気になって顔色すらまともに変えられない状況の中、彼女は器用に手で水を掻き、身体ごと浮き輪をくるくると回転させて俺の方を向いた。その可愛らしい2つの目は思いきり俺を睨んでいる。

「ちょっと、人がいるところでやめてよ、」
「どうした?」
「とぼけないの!い、いま、触ったでしょ!」
「触った、って、どこを?」

ヒメに向ける表情は至って真面目なまま、次は秘部の割れ目を軽く撫でる。ぴく、と反応した彼女を見ても表情は崩さない。どこを触られたんだ?ともう一度強めに問えば、真っ赤に染めた顔を俯かせて「お尻」、と呟いた。それに答えないまま優しく宛がっていた人差し指の腹で割れ目をぐりぐり撫でれば、ばしゃんと大きな水音が上がる。浮き輪から落ちそうになったヒメの肩を掴んで支えながら指を水着の中に滑り込ませて陰核を柔くつまんだ。

「ば、かあっ」
「あまり変に騒ぐと気付かれるぞ」
「だったらやめ、て」
「そう言う割にはぬるぬるしている」
「あ、あ、」

撫でていた秘部の孔、蜜口に人差し指と中指をゆっくりと差し込めば、そこはなんの抵抗もなくそれらを飲み込んでいく。抜き差しすればだらしなく開いたままの口はその動きに合わせて浅い呼吸を繰り返す。だらんと力の抜けた首が後ろに倒れ、頭が水についた。他の客の邪魔にならぬよう、ヒメのこんな姿を見られぬように浮き輪を掴んでゆっくりと移動する。プールの端まで連れていき、辺りに人がいないのを確認してから中指と人差し指を蜜口に挿れたまま親指で陰核を弾いた。

「ひゃあ、う!」
「静かに。」

冷静な顔して咎めながらも指の動きをどんどん速め、その奥の良いところを刺激し続ける手は止めない。彼女が腕を伸ばし俺の首に巻き付く。つるんと逃げた浮き輪が輪投げのように俺とヒメの首にかかったのを良いことに、どちらからともなく唇を貪った。半透明の浮き輪なんてろくに盾になっていないであろう。でもそれがまた欲を掻き立てる。動く度に聞こえる水音が全て厭らしい水音に変換されて脳に反響し、それは最早媚薬。だんだん首にしがみつく力が弱くなっていくヒメをプールサイドに座らせれば、目の前には丁度蜜口が露になって。必死に止めようとする両手を一纏めにして舌を這わせれば面白いくらいに腰が跳ねた。

「人が来る、からっ」

ヒメが咄嗟に俺の頭を抱え込み、身体を丸めたせいで余計に蜜口に押し当てられる舌。先を尖らせてぬるぬると抜き差しすればとろりと溢れ出る液体。

「…イったか」

蜜口から顔を離し彼女を見れば明らかに達したと解るほどの艶かしい表情を浮かべ肩で息をしている。流石にやり過ぎたか。とりあえずプールから出て彼女を抱きかかえシャワールームへ向かう。少し広めのそこにヒメと入りコルク栓を捻れば暖かいお湯が冷水で冷えた身体をほぐしていく。

「すまない…久しぶりだったものだから、つい調子に乗ってしまった」
「……して」
「ん?」
「お願い…犯して」

カラン、と落ちたシャワーヘッド、ヒメが俺の唇に噛み付くのは同じタイミングで。彼女の左手が、俺の立ち上がっている逸物を下から上へ撫で上げた。自分でも気付かぬうちに絡み合っていた舌に酔いながら、彼女の水着に指をかける。逸物の先端を宛がえば震える腰。それが逃げぬようにしっかりと両手で押さえ込み、ゆっくりと身体を近づけた。


声にならない声が響く、夏。


(20130812)

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