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※ハイキュー×イナイレです。

※イナイレ無印(高校)設定です。



「ふぅ…」

窓際でため息をつく彼女。
その表情は曇っているが、とても美しく思わず感嘆の声を上げてしまうクラスメイト。
高校になって、直ぐに東京のかの有名な雷門から転校してきた彼女はとても美しく話すことさえ躊躇われた。
そんな中、1人だけ彼女に…ナマエに話しかける人がいる。

「あ、ナマエさん!!」

「あら、日向くん。バレーの練習はもう終わったの?」

「うん!ナマエさんのアドバイス通りにやったらすごい出来た!」

「ならよかったわ。」

ふふ、と微笑むナマエにニコニコ笑っている日向。
彼が、この1年1組の中で唯一ナマエに話しかけ、仲良くなった人である。





この烏野高校に転校してから少し過ぎました。
転校だって決まった時は凄かったわ……後輩、特に虎丸くんは嫌だ嫌だって可愛すぎて。
円堂くんは円堂くん。サッカー馬鹿だもの。夏美、秋ちゃん、冬花ちゃんの気持ちに気付かない鈍感サッカー馬鹿だから仕方ないわ。
夏美は寂しそうだったけど、転校先で迷惑掛けない様にって言われ…これは夏美が
心配してくれてるって事よね。
そして従兄弟である士郎。元々北海道に住んでいる彼は近くなったなんて嬉しそうに話すからなんというか……まあ、アツヤと両親が亡くなってから依存するようになってたし。
一部の人が黒歴史でもあるエイリアン襲撃事件で、前よりだいぶよくなったけれど。

「……ナマエサン」

「ん?月島くんどうしたの?」

私よりかなり身長が高い月島くんは首を上げなくちゃ顔が見えない、まあ殆ど皆にだけど。
気付いたのか少し身長を屈める彼は紳士だと思うの。それを日向くんに話したら絶対ないって激しく否定されたけれど。

「ナマエさん、次の合宿お手伝いくるんでしょ」

「ええ、音駒と梟谷で人数多いのにマネージャーが足りないらしいからね。」

「ふーん」

それだけ言って練習に戻っていった月島くん。あ、今は烏野バレー部の手伝いをしているのよ。
合宿の準備とか潔子さんだけじゃ手が回らないらしいし、仁花ちゃんは入ったばかりだし…だから有名なイナズマジャパンのマネージャーであった私に頼み込んできたの。

「ナマエ、大丈夫だっぺ?」

「菅さん!ええ、後もう少しで準備が終わりますわ。」

「無理はしちゃだめだべ?本当にありがとう」

頭をぽんぽんと撫でる菅さん。ほわほわしている彼は士郎に何処か似ていて放っておけないのよね。
ああ、そうだわ。今日夏美に電話する時、遠征するって話そう。もしかしてら会えるかも……いや、無理かしら。
あの人にも会いたい。












「あの…」

「ん?」

「いや、その…」

「手を離して貰ってもいいですかね?音駒のシュショーさん」

「なになにー?ツッキー嫉妬しちゃってんの?」

「まあまあ、落ちつくんだべ。ナマエが困ってるよ」

説明しよう。
梟谷は少し遅れてくるらしく、音駒と烏野が合宿場所に集まっている。
監督がお互いにスケジュールを確認しに出ていったところで、音駒の主将…つまり黒尾がナマエの肩を抱き寄せたのである。
その黒尾の肩を強く握りしめて嫌みなほどに笑いあう黒尾と月島。
まあまあと言いながらこっそり黒尾からナマエを放した菅原は流石としか言えない。
梟谷も集まると、監督達がこの合宿について説明する。
今回の合宿はいつもより違く、1日目は近くの観光にでも何でも行っていいのだ。
大会お疲れ様という意味も込めて、らしい。

「私いらなかったんじゃ…」

「…そんな事ないっすよ。……いて、嬉しいし」

「か、影山くん…?」

「ナマエー!一緒にいかないかー!」

「ちょ、木兎さん!ナマエは俺達と一緒に行くんっすよ!」

「ナマエチャン、どうだ?俺といかね?」

「あんな悪人顔と行ったらナマエさんが可哀想でしょ…」

「あーん?ツッキーもだろ?」

影山が後半話した事が聞こえなく訪ねようとした時、一緒に行こうと誘ってくる人達で影山が遠くに飛ばされた。
わりと、がちな方で。
私、1人で観光したいわ…稲妻町から少し遠いから行けそうにないし。士郎は最近交換留学か何かで雷門高にいるらしいし。少しでもいいからみんなに、会いたかったわ…




「ナマエっ…」



んっと振り向こうとしたらぎゅっと誰かに抱き締められる。
抱き締められるというよりはぎゅーって抱きつかれている感じだけど。
はあ、と呆れてそれでも優しい表情を浮かべたナマエはこれが誰か分かっている。

「ちょ、誰っすか!?」

「ここは関係者以外立ち入り禁止だけど、一応…」

「え、この人って…」

「……士郎。自己紹介は?」

「あ、ごめんね…ナマエがいたからつい。僕は吹雪士郎、分かるかな?」

「ええええええ!?あのイナズマジャパンのメンバーの!!!!」

「おお、おおおお、ほ、本物だぁぁぁぁ!!」

「すげえ!すげえ!!すげえ!!!!!!」

「い、……いけめん…イケメン…………イケメンオーラ……グハッ!!!!」

「やまもとぉぉぉぉぉ!!!!!」

主に騒いでいるのは烏野の馬鹿3トリオと山本。元気だねとニコニコ笑っている士郎だけど、士郎より年上3人いるのに対してそれでいいのだろうか?

「えっと……その吹雪くんとナマエの関係はなんだべ?」

「あら?私達は従兄妹よ。」

「…恋人じゃないのか?」

「違うよ。僕とナマエはこれまでもこれからもそうならないからね。それにナマエは…」

「あー!吹雪さんいましたよ!」

「まったく、先に行くとかお前はよ…」

「ナマエさーん!会いたかったです!!」

ポカーンと口をあける烏野、音駒、梟谷。なんというか、以外な人達までも。更に言っちゃえば監督までも。
何故?
かの有名なイナズマジャパンメンバーが全員揃っているからである!!!
ナマエも最初は固まっていたが、皆に気付いて嬉しそうに微笑む。
そして、"彼"を見つけたナマエは全員をすべてを通りすぎて"彼"に抱き着いた。



「…修也っ……!会いたかった、」



「ナマエ……俺も、だ。」



豪炎寺にぎゅっと抱き付くナマエを軽々しく抱き締めた豪炎寺は、それこそテレビでもサッカーをしている時でさえ見たことのない優しくて甘い笑みを浮かべていた。
一方のナマエもうれしそうに愛しそうに豪炎寺の頬に手を滑らせる。
その空間だけピンク。
呆れた表情を浮かべるイナズマジャパンメンバーは完全に慣れている。士郎と夏美がお互いに親指を立てている辺り確信犯です。

「え、あの、2人は…」

「豪炎寺とナマエは恋人だぜ!」

鈍感である意味一番純粋な円堂がにっこりと、それはそれは嫌みになるくらいないい笑顔(悪気のない)で言い放った。
数人が崩れ落ちて床に手を付いたのは仕方がない。




ライ様リクエストです!
こ、こんな感じですかね…?間違っていたらスミマセン!!
豪炎寺が最後らへんしか出てこなかったのに、一番良いところをかっさらっている事実。
彼はいつも最後の良いところに出てくるから間違えではないはず…(という言葉の言い訳)
あのあとは豪炎寺のウルトラスーパーイケメンダーリンっぷりに崩れ落ちた数人が更にダメージ負うまで考えましたが…まあ、纏まりませんでした。
夏美と士郎は電話でその数人が好意を寄せてると知った上での確信犯。
稲妻daysの方も時間が出来たら書いてみますね!
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