受験生のこの時期といえばどんな状態か察しがつくでしょうが、それは愁平くんだって同じでした。もうすぐ高校受験を控えているのです。いくつもの問題集を机に積み上げ、夜は遅くまで塾でお勉強。いくら定期試験で毎回学年トップの成績を修めていて、志望校からS判定をもらっているからとは言え、愁平くんは気を抜きません。今も数学の問題集を眺めながらペン回しをしているところでした。と、そこへ。

「しゅうへいくん…」

おずおずといった感じで名前ちゃんが声を掛けます。先程からずっとこんな調子なのです。名前ちゃんが愁平くんの部屋へ来たのは1時間前。愁平くんに会いたくなって、約束もなしに一方的に押しかけたのは悪いと思っていましたが、1時間も彼女を無視し続けるなんて酷い彼氏です。今回の呼びかけも見事にスルーされました。

「ねぇ愁平くん、愁平くんはうちの高校受けるんだよね?ならそんなに勉強しなくても大丈夫じゃない?」
「…」
「愁平くんならもっと上の高校行けるのに、何でうちのところなの?」

愁平くんはペンを机に置き、ページをめくります。

「うるさいよ、集中できないでしょ」
「ねぇ、教えてよ。私と同じ学校がいいから?」

愁平くんは鬱陶しそうに言いましたが、名前ちゃんはめげません。というか、付き合いはじめた頃から愁平くんのこういうところが大好きなドMちゃんだったのです。

「自意識過剰だね。名前と離れるのが寂しいから同じ学校へ行くとでも言ってほしいわけ?」
「じ、じゃあ何よ…」
「地元だから」

愁平くんはばっさり言い捨てます。もちろん名前ちゃんの顔なんか見ていません。再びペン回しをしながらため息をつきます。

「ていうか、何で来たの?勉強の邪魔でしょ」
「え…、」
「去年自分だって高校受験して分かってるはずなのに、わざわざ邪魔しに来るなんて。どうせ会いたいなんて口だけで、体が我慢できなくなっただけじゃない?」
「え、ぇ」

愁平くんは鋭いです。確かに名前ちゃんは会いたくて来たなんて言っていますが、実際はえっちなことをしてもらいに来たのです。でも名前ちゃんの体をこんな風にしてしまったのは間違いなく愁平くんなのに、名前ちゃんだけ悪いような言い方をしますね。それでも名前ちゃんは興奮していました。

「あの、しゅう、」
「いいよ。してあげるから早く帰って」

名前ちゃんが抵抗する暇もなく、愁平くんは名前ちゃんの腕を掴んで自分へ引き寄せました。愁平くんは左手で単語帳を取り出しながら右手で名前ちゃんを自分の脚の間に座らせ、自分の胸を名前ちゃんの背もたれにさせるように名前ちゃんを抱きます。未だに自分の方をチラリとも見ない愁平くんに、名前ちゃんはどきどきしっぱなしです。愁平くんは名前ちゃんの耳元で囁きました。

「今日は3回くらいで満足してよね」




今日の愁平くんは少々乱暴でした。そんなに時間が惜しいのでしょうか。名前ちゃんの服さえ脱がしてあげませんでした。脱ぎたいなら勝手に脱げば?と言われて全裸になってしまう名前ちゃんもどうかと思いますが。風邪引かれたら面倒だから、と愁平くんが名前ちゃんの肩に毛布をかけてあげました。でも優しさはそれだけです。胸の揉み方もクリトリスの虐め方も全部全部乱暴です。ですが、名前ちゃんいつもより気持ち良さそう。もうだいぶ湿っていたナカにも指を突っ込まれ、一気に抜き差しをされてしまいます。ぬとっぬとっと粘着質な水音がやけに厭らしく、名前ちゃんはさらに興奮していました。そんなことをしていたらもう2回もイかされてしまいました。まだ指だけなのにどういうことでしょう。名前ちゃんは自分の指を噛みながら3回目の絶頂を堪えているところです。

「あっ…あんん、ん…っ!」
「ちょっと、そんなに締め付けたら指が疲れるでしょ」
「ん、やぁ…っだって、ちからぬいたら、いっちゃうぅ…っ」
「イきなよ。何のためにわざわざ僕が手を汚してあげてると思ってるわけ」

愁平くんは単語帳をめくりながら余裕そうに言います。本当にこのままでは指だけで帰されてしまうかもしれません。

「や、やぁ…っ、いきたく、な…っ」
「…ふーん、そう。じゃあ僕も気が変わった」

今まで2本で奥を虐めていた愁平くんでしたが、もう1本指を突っ込んできました。んひぃ、と情けない声を出してしまった名前ちゃんは、愁平くんの指の動きで何かを察し、焦ります。

「ん、やぁ!ぬいっ、ぬいてぇっ、…っ、ら、めぇ…っ!」
「うるさいよ。40秒でイかせてあげる」
「む、りぃ…っやぁああぁっ!」

そう、そこは名前ちゃんの大好きなGスポットでした。名前ちゃんは爪先をきゅっと丸めて快感に堪えますが、愁平くんのピストンは加速するばかり。じゅぽじゅぽと音を立てて厭らしく出入りする指を見つめることしかできません。

「あっ、あ、あ、あ!あ!しゅうへ、あ、や…っ」
「勉強してるんだから声出さないでよ、うるさい」

愁平くんは単語帳を見ながら名前ちゃんを叱るように耳をがぶり。痛さと気持ち良さが混ざって名前ちゃんはいやいや首を振ることしかできません。また叱られたら嫌なので自分の指を噛んで声を押し殺します。

「んっ、んんん、んーっ!ん!んんぅ…っ!!」

抑えなきゃと思えばますます敏感になってしまい、結局名前ちゃんは背中を反らしてイきました。どくっどくっとナカが何度か痙攣して愁平くんの指をしゃぶります。愁平くんはぬぷりと指を引き抜き、愛液でどろどろになったそれをティッシュで綺麗に拭いていきます。

「ほら、3回目。40秒弱でイけたね」

愁平くんはティッシュを丸めてごみ箱へ投げます。見事に中に入っていくところを、名前ちゃんはぼんやり見ていました。

「やぁ…、ゆびじゃ、やなのぉ…っ」
「我が儘言わないで、3回は3回でしょ」
「っ、だってぇ、ここ、もっとおっきいの、ほしいのぉ…!」

名前ちゃんは物足りないようです。3回もイッたのにナカがむずむずします。1度セックスの感覚を覚えてしまえばそちらの方が良いに決まっています。名前ちゃんは愁平くんのセーターを引っ張って必死におねだりしました。ですが、愁平くんはため息をつくだけ。
カシャン。

「ほら、これで遊んでれば」

愁平くんが引き出しから出して名前ちゃんの方へ投げたのは、ピンクのバイブでした。無機質な音が名前ちゃんを泣かせそうになります。しゅうへいくん、何でえっちしてくれないの?名前ちゃんはおめめをうるうるさせますが、愁平くんは名前ちゃんのことなんか見ていないので気づきません。こんなものが欲しいんじゃないのに、と思いながらも熱がおさまらないナカをどうにか掻き回したくて名前ちゃんは素直にバイブを手に取りました。

「は、ぁ…っ」

まだスイッチは入れずに、バイブをナカに挿れてみます。むっちりしたナカを掻き分けるように奥に進んでいくそれはやはり無機質で虚しくなります。こんなものに興奮するわけがありません。緩い凹凸のある面を大好きなGスポットに宛がい、ぬちぬちと出し入れ。やはり愁平くんの硬くて熱いモノで力強く擦り上げてもらった方が気持ち良いです。名前ちゃんは切なくなりました。目の前に愁平くんがいるのにお預け状態なのですからますますです。そのまま切なさに浸っていたら愁平くんはチラッとこちらを見てきました。

「名前、スイッチの入れ方も知らなかったの?」

それから、カチリと音がして不意打ちのように名前ちゃんのナカが掻き回されます。うぃ〜んと鈍い振動ですがGスポットにピンポイントに宛がっていたので名前ちゃんはびくんと腰を跳ねさせて感じました。

「あっ!あぁあ…っ!や!なにこれぇ…っ」
「それ本気?こんなのが気持ち良いんだ」
「とめっ…とめてぇ…っ!あ!あぁはあん!」

初めての刺激に名前ちゃんは背中を反らしっぱなしです。いつもは激しくピストンされるのですが、バイブは入ったまま奥を掻き混ぜるようにぐにぐに抉って動くのです。敏感なところを休みもなく擦られたら名前ちゃんだって長く持つはずありません。

「あっ!あぁう…っはあっ、もうぅ…っ!あん、しゅう、あっ…!」
「え」
「、はあっあぁああ…!」

びくびくと自分の腕の中で痙攣を起こす名前ちゃんにびっくりして、愁平くんはやっと単語帳から顔を上げました。すると最高にアヘ顔な名前ちゃんが視界に入ります。焦点は合っていませんが気持ち良さそうに口から涎を垂らしていました。愁平くんは思わず目を見開きます。

「ちょっと!」

未だにびくんびくんと腰を揺らす名前ちゃんはイキっぱなしなのでしょうか。愁平くんは少し乱暴に名前ちゃんのナカからバイブを引き抜きました。どろっどろに愛液がついたそれはスイッチを切ってもらえることもなくずっと動いています。

「あ、はぁ…ん、しゅうへ、くん…?」
「…もう怒った」

愁平くんは目をギラギラさせて怒っていました。名前ちゃんはわけがわかりません。イッたばかりで思考が回りません。こてんと首を傾げて愁平くんを見上げると、愁平くんは名前ちゃんをどさりと床へ突き飛ばしました。え、なに、何で怒るのぉ。名前ちゃんは目をぱちくり。でも、これから何をされるのか分かりました。愁平くんはベルトを外していたのです。

「はぁ、はぁ…っしゅうへいくん、くれるのぉ…っ?」
「名前がバカだからいけないんでしょ。僕こんなことしてる暇ないのに」
「え、ば、ばかぁ…?」

名前ちゃんが不思議そうな顔をして愁平くんを見上げます。愁平くんはため息をつきながら名前ちゃんの脚を開くと、自分のモノをぐぢゅう、と入口に挿れました。

「んあっあぁ…!」
「バカだよ、名前は。僕の感覚なんか忘れてあんなのにイかされるんだから」

愁平くんは怒っています。挿れて早々名前ちゃんの太ももを鷲掴んだまま激しいピストンを始めました。名前ちゃんの弱いところを力強く擦り上げます。名前ちゃんの大好きな感覚でした。

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