駄ン文ロンパ20
2014/07/09 06:00

【嗚呼、有情】


七海「日向君、左右田君。今暇かな」

日向「暇だぞ」

左右田「おう、暇だぜ」

七海「もし良ければ、一緒にゲームしてくれないかな」

左右田「おっ、ゲームか。何のゲームだ?」

七海「対戦式のレースゲームでね、一人じゃつまらなくて」

日向「対戦式なら一人じゃ盛り上がらないよな。よし、やろう」

七海「ありがとう。でも、手加減はしないからねっ」

日向「はははっ、怖いなあ。でも俺、ゲームは得意な方だから本気で大丈夫だぞ」

七海「そっか。左右田君は?」

左右田「ゲーム自体あまりやったことが無えな。ゲーム機を解体したことはあるけど」

日向「ゲーム機は解体するものじゃないぞ」

七海「何だか波乱の予感だね。早速ゲームしよっか」




――10分後――




七海「インド人を右に」かちかちかちかちっ

左右田「レバー入れ大ピンチ」かちかちかちかちっ

左右田「……ああ、また負けた。やっぱり七海は強えなあ、一位になれねえ。流石、超高校級のゲーマーだぜ」

七海「そんな私のすぐ後ろをキープし続ける左右田君は凄い……と思うよ」

左右田「けど、二位ばっかりじゃ悔しいぜ」

日向「……」

七海「……日向君、大丈夫?」

日向「……あ、ああ。まあ……」

七海「そっか、なら良かった」

日向「……ところで左右田、ゲーム苦手じゃないんだな……」

左右田「ん? あまりやったこと無いとは言ったけど、苦手だなんて言って無いぞ」

日向「えー……そんなの狡いぞ」

左右田「何が狡いんだよ」

日向「苦手だと思っていたから、手加減してたんだぞ」

左右田「そうなのか」

日向「そうなんだよ。だから次は本気でいくからな」

左右田「おう」




――5分後――




七海「一位」どやっ

左右田「二位」

日向「……」

左右田「……」

日向「……ちょっとコントローラーが」

七海「日向君」

日向「も、もう一回。次こそ本気出すから、次こそ左右田を抜くから」

左右田「お、おう」




――さらに5分後――




七海「……」

左右田「……」

日向「……いや、ほら、コントローラーが」

左右田「日向」

日向「もう一回っ、もう一回だ。今度こそ本気だから、本気で全開だから」

七海「う、うん」




――そして5分後――




七海「……」

左右田「……」

日向「……」

七海「日向君」

左右田「日向」

日向「違うんだ、コントローラーがな、俺は本気なんだけどコントローラーがな」

七海「……」

左右田「……」

日向「もう一回っ、もう一回だっ」

左右田「……」ちらっ

七海「……」ちらっ

左右田「……」こくり

七海「……」こくり




――そしてまた5分後――




日向「や、やった! 二位だ、ほら! どうだ、俺がちょっと本気出せばこんなものなんだ!」

七海「うん、凄いね日向君」

左右田「いやあ、流石ソウルフレンドだぜ。全然追い付けなかった」

日向「♪」

七海「……」ちらっ

左右田「……」ちらっ

七海「……」にこっ

左右田「……」にこっ



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