コンパクトスターオーロは戸惑っていた。今まで生きてきたなかで最も動揺している瞬間だといえる。
「――――……この船は今や独立国家。世界中からギャンブラーやセレブ達が集まる、世界最大のエンターテイメントシティとなった」
ゆっくりと紡がれるテゾーロの声。
「見てきただろう?カネの力に屈する奴らを。足元に跪く奴らを。それだけおれ達はデカくなったんだ、力を持った。どうして簡単に手放せる?」
ぽた、ぽた、と滴る雫。
「どうしてだ。どうしてそうもおまえは――――――……」
激昂すると思っていたテゾーロが
「おれの、思い通りに、ならない」
はらはらと泣いていた。
≪ ◎ ≫