「この子がとめさんです。オスですよ !」

小さくえーふぃ、とう鳴き声をさせて俺の怪 我をしている方の腕に擦り寄ってくる 。
どうしていかわからずとりあえず頭 を撫でてやった。

「とめさんの"いやしのすず"で貴方の 毒を消したんです。ねー?」
「えーふぃ!」
「とめさんは優秀なんだよねー!」

よくみると、猫、に形は似ているが、 猫ではない。尾が二股に分かれていて 、大きな耳。どうみても良く見たら普 通の猫と違う!

「こ、この生き物は」
「エーフィですよ。見たことないです か?イーブイはご存知でしょう?あの 子を十分懐かせてお昼にレベルを上げ るんです。そしたらイーブイからエー フィに進化して」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!レベル とはなんだ!イーブイというものも知 らない、進化ってどういうことだ!?」
「えっ!?」
「えっ!!」

翔子さんの話がさっぱり理解でき ない。何がどうしてこいつがなんだっ て!?


「…イーブイを知らないんですか?」
「知らない」

「………ここはカントー地方では?」
「ここはかんとおという場所ではない。 名は尼崎という場所だ」

「し、シロガネ山ではないのですか! ?」
「…そのような名前の山ではない、と 思う」

「えぇっ!?!?」
「えっ!!」





どうりで話が通じないわけだ。



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