3.尾へ降りる

「てめぇが白ひげかぁ!時代遅れの老いぼれがいつまでもこの海にのさばってんじゃねぇよぉ!!」

下から聞こえてるのはお決まりの台詞。
どうやらパパの怖さを知らずに新世界で暴れまわっている海賊のようだ。

ココ最近は海軍ですらめっきり見なくなったというのに
こんな名前も知らない海賊団に喧嘩を売られるだなんて。

あんなやつ等、パパの出る幕じゃない。
きっとマルコらへんがこんがり焼いてくれると思う。

ミディアムレアらへんで。


「お前はいかないのか?」
「だってパパからお呼びがないもの。どうせ三下でしょう」
「あー…でも、どっかで見たことのある海賊旗だな」
「本当?エースが知ってる海賊団なら結構な賞金首かな」
「多分な」
「でも私はこのまま銃の手入れを続けます」
「じゃぁ俺も昼寝しよ」

わぁわぁ下が盛り上がり始めた。
どうやらモビーディックの横についたらしい。

なんだクソちょっと楽しそうだな。戦闘に加わってやろうか。

最後の銃の手入れが終わってホルダーを全て装着し終えたその時、
見張り台に飛んできたのはマルコ隊長だった。

私の隊の隊長だ。

「香織」
「マルコ隊長」
「お、珍しいよい。お前等がここでまったりしてるなんて」

「俺は酔いさますため昼寝中」
「まだ朝だよい」
「私は銃の手入れを」
「終わったのかい?」
「えぇ、丁度今」
「だったら一緒に降りるよい。1番隊で片付けろってオヤジからの命令だよい」
「え、1番隊で?」

先頭きって1番隊を出すとは、やはりそこそこ強い海賊団なのだろうか。

「相手は?」
「俺は名前わかんねぇよい。でも5億越えの海賊団船長らしいよい」
「解りました。エース流れ弾に当たんないようにね」
「俺は銃はきかねぇよ」
「やっぱり流れ弾に当たってしまえ」
「おい!」

不死鳥の姿のマルコ隊長の足につかまり
船尾の方へと運んでもらった。もう結構な数が乗り込んでいた。

ホルダーから愛銃を抜いて敵の背に立ち頭へ銃口を当てる。


「ヒッ」
「ここを何処だと思ってやがる。白ひげ海賊団の船の上だぞ」


引き金を引き、一つ。


「で、出た!白ひげの"白虎(びゃっこ)の香織"だ…!!」
「く、食い殺されるぞ!」

「生憎、私は人肉は好まない。」

「せ、船長ォオ!」


無駄口を叩く暇があったら刀を振ったらどうだ。

あぁあぁ、一人逃げちゃって

こんなやつらごときに弾は消費させたくない。
いや、ストックは大量に持ってるが、こんなやつらのためにくれてやる弾は無い。

「借りるね。もう聞こえてないと思うけど」

さっき撃ち殺したやつの脇から刀を抜き取る。
なんだこんなショボいナマクラ刀。

よくこんな刀で新世界渡ってこられたものだ。


「来いよ。お前等ごときにくれてやる弾なんてないんでね」

「クッソが、女のくせに生意気言ってんじゃねぇよ!!」
「もうその台詞言ってる海賊君ぐらいじゃないの?」
「ガッ…!」

刀を交わして、刺す。簡単な動き。

「てめぇよくもそいつをぉ!!」
「そういう友情もここで終わり仲良くさよなら」

銃弾を切っ先でずらす。

「なっ、」
「トモダチが待ってるよ」

そして、刺す。


「まさか、白ひげの船に乗っていただなんて…!!」

「私がこの船に乗っていたらなんだというんだ」







「よぉ、久しぶりだな香織チャン」









吐き気が、込み上げてくる。

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忍術学園までもう少し!の、はずだ!
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