15.目覚めの音

新野先生と保健委員とで毎日香織さんという人の包帯を取り替えている。今日の担当は僕、善法寺伊作だ。

薬も効いているみたいで、香織さんの顔色もだんだん正常に戻ってきた。



あの爆発から3日。

結局あの爆音により全学年が起きてしまったらしく、保健室近辺は敵襲だと勘違いをした生徒全員でうまってしまった。

こうなっては仕方ないと、明日の朝一に学園長先生に報告をしようようと思っていたがやむを得ずあの場で土井先生が状況報告をした。


その後学園長先生の緊急夜礼が開かれ、

庄左衛門や彦四郎が大変な目にあったこと、人攫いが出るということ、助けてくださった香織さんという女性を保健室にて保護しているということ。

その他もろもろ全てを生徒たちにお話になった。


その話を聞き、やはり上級生である四年生は(タカ丸さんを除く)間者ではないのかと大層疑い始めたが、
仕方なく、治療中で瀕死の状態の香織さんを見せた。

目にすると、三人は何も言えなくなり口をつむいだ。


目覚めて礼をするまでこの学園から絶対に出さん!と言い切る学園長先生に生徒そして教師は全員頷いた。
命を救ってくれた、ということは本当に大きい。




こうして、学園中に今「香織さん」という女性がいるということが知れ渡ったのだ。




「香織さん、具合は如何でしょうか。今包帯変えますからね」


今だ起きない香織さんの腕を取る。傷はなんとか塞がってきてはいるが、化膿しなくて本当に良かった。
くのいちでないのなら普通の女性だ。傷は残したくはないだろう。

包帯を変え、薬を塗り、新しい包帯を巻く。

薬が足りなくなってしまうかな。そろそろ薬草園に摘みに行ったほうがいいだろうか。


香織さんの側を離れ部屋を出ようとしたとき










「…動くな…!」
「!」



後ろで銃を構える音がした。
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