#櫂兎について、閻魔と鬼灯曰く
「あの人、生者なのか精霊なのかいまいちパッと分からないんだよねー」
「生者じゃないですか?」
「んー、でも数千年は生きてるみたいだし」
「あれが精霊ということはないです、あり得るならば妖怪でしょう。『妖怪・妹探し』とかいう名前で」
「鬼灯君、それ失礼じゃない?」
鬼灯の冷徹 -地獄の沙汰とあれやこれ-
#お仕事
「彼が地獄の動物獄卒たちの監修・引率をしています。シロさんも配属されるときに会いませんでしたか?」
「会った会った、超もふもふされたよ! たまに会うと遊んでくれるよ!」
「彼はハリー○ポッターなどの魔法生物に詳しいので、UMA達の雇用のときには大活躍でした」
「鬼灯様、伏字になってない」
「たまに勝手に芸を仕込まれて困ってます」
火の輪くぐりするつちのこをみて亡者が和むので、と鬼灯は言った。
(それ、すごくみたい…!!)
#魔法生物と薬学
「はい、頼まれていたもの」
薬の材料を受け取りにきた桃太郎は、二つの瓶を受け取った。一つにはモフモフしたもの、もう一つには何か細長いものが入っている。
::
「あ、受け取りにいってくれたんだ。謝謝、ありがとう」
白澤に瓶を手渡した桃太郎は中のものを問う。
「これ何なんですか?」
「こっちの瓶はケサランパサラン、こっちはユニコーンの尾の毛」
「何に使うんです!?」
「育毛剤作りの実験用にね。こういうのって材料提供してくれた彼の方が詳しいんだけど、面白そうだし一度使ってみようと思って」
#街中で
「よろしければ今度お茶でも」
「でぇいっ!」
道端の女性の手を取りへらりと笑った白澤を発見した鬼灯は白澤の後頭部めがけ金棒を投げた。それは見事に命中し、ばったりと白澤が倒れる。
「助かったあ。これ、本当しつこくてさ…」
女性は、白澤をぎゅむと踏んだ。鬼灯と一緒にいた獄卒二人は白澤がよっぽどしつこかったのだろうと思った。だがそれも無理はない、10人いれば10人振り返るであろう美人だ。女性好きの白澤が口説き落としたくなるのも仕方ないだろう。
妖艶な美女はよくお目にしていた彼らだが、こういう清楚系は珍しい。長い黒髪揺らす彼女を、鬼灯は何か思うことあるようにじっと見つめた。
「何すんだよ!」
金棒のダメージから白澤が回復して、鬼灯に文句を言う。
「は?」
「はじゃねえよ、折角の女性との巡り会いを邪魔して!」
「いや、この人貴方の知り合いかつ男じゃないですか」
「は?」
ぐるんと女性――いや、女装した男性の方を向いた白澤に、ぽりぽりと頬をかいてその本人が口開く
「櫂兎ですけど」
「詐欺だああああ」
「むしろそうと分かって、からかわれてるのかと思ってました」
△Menu ▼
bkm