「名は体を表すというのに、ツナはわんこ嫌いか…」
その世界へと飛ぶ前に、久々に原作を少し読み返してみた俺の感想がそれだった。
「……しかし妹がここにいるとなると、ツナ獄寺山本笹川雲雀骸その他大勢が妹みた瞬間惚れて恐ろしいことになるに違いない」
そう言う櫂兎の顔は至極真剣なものである。冗談のような発言だが、本人は至って本気なのだ。
(いてほしいが…いてほしくない!)
そんな複雑な思いを抱きながら、櫂兎はもう十数回目になる世界移動をした。
家庭教師ヒットマンREBORN!
「ツナ君も今日から中学生かー」
ツナは、隣の家に住む、自分にとっては兄のような彼にぽふぽふと頭を撫でられ、少し嬉しくなる。もしかしたらダメダメ人生も、中学で変わるかもしれない。そんなことを無意識に他力本願で思った。そのダメダメ人生は、良くも悪くも数月後に自力で変える羽目になるのだが。
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「おい、お前がツナの言ってた櫂兎だな?」
「ばっ、リボーン! 櫂兎兄は巻き込むなって」
必死になってツナがリボーンを抑えようとするが、すり抜けられ逆に頭に一撃くらって倒れる。心配そうにツナに駆け寄る櫂兎に、リボーンは言った。
「お前、ファミリーに入らないか」
「いくらリボーンでもそれは許さないぞ!」
床にへばりつきながらもツナは叫ぶ。それを櫂兎は気遣い無用だと言う風に首を振った。
「ツナ君、いいんだ。――さて」
リボーンの方に顔を向けて、ツナからは櫂兎の表情はみえない。しかし、その場の空気の温度が一瞬にして氷点下まで下がったような気がした。何故か、いつものあたたかで優しいはずの彼が、今はとても冷たく怖い。
「俺の家族は妹だけだぜ?」
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……と、櫂兎が断ったのにリボーンはことあるごとに勧誘します。
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・食事中何故かランボのついでに櫂兎にも銃口向けられ撃たれました
ぱすっと軽い音がしたかと思うと弾丸は床に転がっていた。
ツナ(外れてたんだ…よかった…)
いえ、箸で受け止め捨てました。
※ 某世界で何十年も銃は向けられ慣れていたせいです。
櫂兎は何事もなかったかのように食事もぐもぐ。
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・対骸戦で何故か人質にされました
「櫂兎兄を離せ!」
「ツナ、彼奴は自力で脱出できるくせにしてないだけだぞ」
「は? 何言ってるんだよ、兄さんは一般人なんだぞ!」
「……」
やれやれといった風にリボーンは息をついた。
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bkm