「おるぁあああああ!! アチョチョチョチョー燃えるぜ!」
声の主もといバカを見つけてしまった魁斗は文字通り血道を切り開いて飛び込んでいく
「こんのバカ! ただでさえ一人余計にきてて大変なのに!!」
「おっ、カイじゃん。あと…王サマの噂のオトモダチ?あれ、でも男だったはずだけど」
俺噂になりすぎだろ。
「いまは諸事情で女装中なんですの」
「なに呑気に話をしてる!? ノコノコきたからには腹くくれ! じゃないとほんと死ぬからな!」
そうだ、縹家本家の"暗殺傀儡"はかなり強い、とにかく強い、ひたすら強い精鋭なはずだ。俺なんか瞬殺レベルの強さだろう。
って俺このままじゃ死ぬじゃん?!
俺に人を殺す覚悟なんてできない、戦う覚悟なんてできるはずない。
だけど、生きる覚悟なら。殺さない覚悟なら、できる。
「おいバカ櫂兎っ」
そう聞こえた気がしたが気にしない、そうしてさっきまで俺に襲い掛かろうとしていた"暗殺傀儡"の腕を掴み胸元の襟を掴み背負い投げ床に叩きつける
バキリと嫌な音が響く
「えげつねー」
「再起不能になればいいわけだから、取り敢えず脚の骨折った。治れば日常生活にはなんら支障ないけど、兇手としては一生働けないと思う」
うん、コレでこそ何だか俺。
他人に押し付けるつもりはないが、器用に甘くがモットーだ。
「……はじめからそうしておけ」
ぼそりと魁斗が口にした
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bkm