そもそもの始まり 24
殺気がゆらりとこちらに向かってくる、それに対抗するように魁斗の纏う空気がピリリとなる


「ーー縹家の兇手は残らず始末させてもらう。あの世で待ってろ。すぐ詫びに行く」


そう、静かに口にして、魁斗が干將と莫邪を構え直す。二つの剣はきらめき、"暗殺傀儡"たちは切り捨てられた


広がり散る赤色に、思わず目を閉じ逸らす。命なんて重過ぎる、背負えるわけない、自分のために奪えるわけない。この俺が。


「目を逸らすな、邪魔だ、立ち止まるな」



そんな言葉にふるりと体を震わせる


見たくないものでも、ここについてきたんだ。その時点で受け止める義務がある。そっと血溜まりをみつめ、反応する二つの剣が指す次に向かうべきであろう先をみた



「お前…のこのこついてきたくせに使い物にならないとか、何しにきたんだ。本当に王の嫌がらせなんじゃないだろうな!」


「………ごめんなさい。
平々凡々で平和な生活を送ってた一庶民は今さっきおきた事態受け止めるのにいっぱいいっぱいなの!」


というか、物事が分かっているのと、消化するのとは全然違う。相手は殺すつもりで向かってるし、命がこうもあっさりと消えていくしで俺は非常に混乱気味だ



「駄目なら置いて行く、邪魔になるくらいなら帰れ」


「…行く、よ」


何を目的にしているかは自分自身分からないし、ムキになっていないかと言われれば否定はできないが


「殲華に行ってこいって言われたけど、最終的に行くことは俺が決めたし、することせずに帰るわけにはいかないからな」


そういってキッと魁斗を見据えればにやりとかえされる



「急いで行こう、どうやらどこの誰が誰と戦闘しているかは分からないが殺気立ってる。」

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空中三回転半宙返り土下座
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