そもそもの始まり 15
最近の俺の趣味、近所のおばさまのティータイムにお邪魔して世間話。


はい、全く何も稼ぎ口で進展なしのまま、数ヶ月たってしまいましたとさ。


「いや、俺の人生ここで終わらせてたまるかあああああ!」


「あらあら、櫂兎くん、お悩み中なのかしら?
そうよねえ、もういい歳なのにねえ、櫂兎くん顔はいいんだから縁談くるでしょう? 相手はきっと見つかるわ、諦めちゃだめよ」


「いやいや、結婚できなくて人生終わったとか思ってるわけじゃないんですけどね…」


もぐもぐとおばさま手作りのお饅頭を頬張り話す


「今日はゴマ団子なんですね、すごく美味しいです。餡の甘さ加減が好みで」


「あらやだ、うれしいわ。私の手作りなのよ、よかったらまだあるから持って帰って頂戴な」


「ありがとうございます。また俺も何かおやつ作って持ってきますね」


和菓子はあまり作ったことがない。得意な洋菓子は…クッキーくらいなら材料さがしてつくれるんじゃないかな、なんて思い茶を啜る

「あら、櫂兎くんお料理できるの? すごいわねえ」


「そんなたいしたものは作れませんよ。」


ああ、でも洋菓子やその他料理なら、ここ、中華ベースの彩雲国じゃ珍しいし、いいかもしれない。


っていうか、これなら売れるんじゃないか?!

他の場所で売れていたものを引っ張ってくる、なんてかなり狡い気もするが、もうお金に関してなりふり心意気構いすぎると借金破産する。まだ屋敷代も払ってないのに!


「おばさま、また今度俺の故郷の伝統料理とか食べていただけます? 俺、故郷の伝統料理取り扱うお店したいなって思い始めてるんですけど…」


「あら、櫂兎くんにも夢あったのね、よかったわあ
私でよければ力になるわよ。」


「ありがとうございます!」


夢がないようにみえて心配されていたようなのは余計なお世話だが、おばさまの協力が得られるのは心強い。この人、なんだかんだとても情報通なのだ、そして料理上手で舌も肥えてる。彩雲国の味好みを理解している人といえるだろう
……趣味程度のお菓子作りの味じゃ満足させられないかもしれない。

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空中三回転半宙返り土下座
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