そもそもの始まり 14
しかし夜の街なだけはある、人通りは多いし、いい服きてる人多い。



そんな人々目の前に俺は



「はいはい皆様お立ち会いー! あ、お嬢さんその簪お借りしていいかな? この簪をここに置きまして〜」


何故か路上でマジックをしていた


物が消えたと思えば自分の懐に戻ってきている、というマジック。意識を布の下に逸らし仕掛けるだけの簡単なものだが、観客参加型なので熱しやすい。お陰で俺の周りには人集り、そして生活資金のお恵みを、なんて切実な謳い文句に鍋の中には嬉しい収穫



「以上これにて奇術は終了、みなさまどうぞいい夢を!」


路上マジックなんて俺の腕じゃお金持ち相手にしか商売にならないし、収入安定しないし、長続きしないだろう。早々屋敷に帰ってこれからを考える必要がある



に、しても


「まぁ、物騒だね〜」

鍋に入ったお金たちに余計なものが釣れたらしい。

仕方ないので襲ってくる輩をいなし伏す


「こんなことしても儲からないでしょーが。楽かもしんないけど」


早く帰ろうと思っていたのに辺りは暗くなってしまった


鍋の蓋でまさか刃物を受け止める日がくるとは思ってなかったが、妹を護るとかなんとかいってがむしゃらにやった体術戦闘術云々も実戦に使って差し障りなさそうである。


「まぁ、こんなのが役にたっても嬉しくも何にもないけどな」


ようやく最後の1人を伸して櫂兎は遅い帰宅を果たしたのだった

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空中三回転半宙返り土下座
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