「劉輝様ー、いらっしゃいますか?」
「っ! 華蓮!!」
おお、俺の癒し。
笑顔で抱きついてくる劉輝に俺は心和ませられる
抱きつく劉輝の背も、いつの間にかもう俺の胸元まである。今日つめているももまんが、抱きしめ間に挟まれるせいで潰れないか心配だ。
に、しても春色四男にしろ、劉輝にしろ。子供の成長というのは本当にはやいらしい。たった数年で赤児に近かったのが少年やら青年になるのだから。
そんなふうに思う俺は非常にジジ臭い。まあ、仕方が無い。あった頃はまだ黒髪だった瑤旋だって今じゃ白髪が混じってきているのだ。
ああ、あれは老けてみせているんだったか?
まあ、しかし俺だって見た目変わらずとも感覚としてはだんだん年老いてるなーと思うのである。
「歳を召すって……そういうことかしら」
不意に呟けば何故かあわあわと劉輝が言う
「歳なんて関係ない、華蓮はいつみても綺麗だぞ? あった時から変わらないのだ!」
「ふふ…そう言ってもらえると嬉しいですわ」
自然と笑みが浮かぶのがわかる。もふもふと相変わらずの髪を触れば、嬉しそうに劉輝はすり寄ってきた。
うーん、甘えたい盛りは過ぎたはずなんだけどなあ。幼児のころじゃあるまいし。
しかしある意味いつまでも子供で、純粋だからなあ。今も、これからも
「……私以外にも、ちゃんと甘えられる人ができればいいですのにね」
そう言ってみればプルプルと劉輝は首を振る
「余は華蓮に甘えたいのだ。だから、他に甘えられる人、などというのはいらぬ」
そう言う劉輝は非常に可愛かったので、普段の三倍頭をもふもふ触り頬をもちもち触った。
「……皆、余の頬を触ったりつついたり引っ張ったりするのだ」
そういや殲華や百合姫は、劉輝の頬っぺたお気に入りだったな。
俺はこの独特な髪触る方が好きだったりするのだが
「だって、劉輝様の頬、お餅みたいにモチモチで美味しそうですもの」
「………華蓮なら味見していいぞ」
「………え?」
まるで、「今日の夕飯カレーだよ」「へぇ」みたいな風に言われたのでとっさに反応できず変な声が漏れる
戸惑い見つめていれば、暫くして劉輝は恥ずかしそうに咳払いした。
「冗談だ」
△Menu ▼
bkm