「よーっ!飛翔ー」
「おう、櫂兎。仕事はいいのかよ」
「今日のは終わった」
「へえ……んじゃ、飲んでいかねえ?」
そうして酒瓶を持ち上げる。中で液体の揺れる音がした
「んー、飛翔は仕事まだ終わってねーんだろ。だいたい尚書って忙しいんじゃねえの? 酒飲みながらやるものじゃないでしょーよ」
そうしてぱんぱん、と飛翔の前にあった書類を叩く
「俺も手伝うから終わらせちまわね?」
「へっ、吏部があの黎深のせいで仕事処理し切れてないって話なのにお前俺の手伝ってていいのか?」
「あれは、最低限黎深のやるべき仕事を残した結果だよ。全く、少しは手伝ってやってるってのにあいつは何もしようとしてないんだもん。だいたい、俺が吏部にいること気付いてねーし」
「うわ、あいつらしい」
そう言う飛翔から酒瓶をひったくり目の前の書類をグイと押し付けた
「飛翔はそういう黎深とは違うんだろ?」
「え」
「だろ?」
にこりと押し付けられた書類と、取り上げられた酒瓶に溜息をついて、飛翔は筆をとったのだった。
「に、しても櫂兎が仕分けてくれて渡してくれたお陰ですげーやりやすかったぜ!
なんていうか、似たようなので区切りあって、関連した資料も添えてあるようにしてあると、いちいち調べたり見たりする手間省けていいな。
お前、補佐の才能あるんじゃねえか?」
「褒めてくれてありがとさん。でも、これ自分で分けてやったら同じことになってはやく済むんだぜ」
「それができれば苦労しないっての」
「それを出来るようになるのが仕事出来るようになるってことでしょうよ」
粗方そうして片付いたところで、俺は酒瓶を返す。
「酒も飲み過ぎず程々にな。一気に大量に強い酒は飲むなよ」
「へーへー」
工部を出れば、ちょうど午時。
「昼ご飯でも食べに帰ろうか」
そうして午後からは劉輝と遊ぼう。そうしよう
△Menu ▼
bkm