取り敢えずやりたいこともやり終えたので、進士たちに俺は加わった
状元通過したが悠舜もいたし、進士式には出なかったから、どうやら同期には存在をあんまり認知されてないようだった
お仕事と言う名の雑用は魯官吏にいっぱいもらったが。
「こんの、書類仕事の量はっ、嫌がらせか!」
どんと書類を机に置けば、近くに座っていた鳳珠がびくっと反応した。
「櫂兎、きていたのか。…もう体はいいのか?」
「ん? ああ、もう平気平気!」
書類を処理しながら会話する。げ、ここ誤字あるし文法間違ってる。書いてること云々以前の問題だ
それをお節介にも直しては、運び先ごとに分ける
それを終えて席を立った
「これ、持って行ってくる」
「ああ」
前も見えづらいほどの量をよいしょと持つ。各部へいけば、ついでにこの書類を〜部へ、と言われ押し付けられ仕事が増える。なんてこった
結局部間を二往復以上する羽目になった
全てを終えて、悠舜たちと息を吐く
「廊下に差し入れみたいなのあるねー、御茶も。これ龍泉茶だ」
疲れた時にいいよね、といいながらこぽこぽと淹れる
「そういえば悠舜、縁談とかもしかしなくとも状元なったとき来た?」
途端茶を吹きむせる悠舜
「え、ええ。きましたよ、しつこいくらいたくさん。あの手この手でまいりました」
その様子はくたびれた靴下。本当に参っている風だ
「俺も自宅に娘さんの自画像だとか送りつけられてさー、断りの文なんて書こうかなーって」
「無視でいいでしょう、無視で」
悠舜の目は疲れている。まあ悠舜の場合、足のこともあって余計ゴタゴタしてるんだろう
「何度も送られると気が滅入るだろ…なんかバシッと断れる文句ないかなあ……」
「あったら苦労しませんよ」
「適当に誰かと婚姻結んでしまえばいいではないか」
けろりと黎深が吐く
「………あのね、黎深」
悠舜が疲れた目で黎深をみつめた
「そうか、その手があったか……」
俺が納得した風にいうのを悠舜は信じられないものを見る目で見た。
「…櫂兎、お付き合いしてる方でもいるんですか?」
「…………秘密だ」
ただ単に華蓮と婚姻結んでしまったことにすれば流せるかなーと思ったのだが。
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bkm