進士、下っ端官吏 03
後宮に顔を出すということで女装も久々、鬘がなかなかしっくりこないで悶々していれば、昼をすぎてしまった。慌ててちょっとした荷物を持ち宮廷に向かう。


門番さんにお久しぶりですとにこりと微笑み挨拶をすれば、お戻りになっていたんですね、華蓮殿と声をかけられる

よかった、憶えてもらえていたのか
そうして宮廷内を歩いていれば、横から走ってきた人物にぶつかり転びそうになるのを支えられる


「申し訳ありません…」


謝りその人物をみて固まった。
飛翔、何故ここにいる


大方手に持っている酒瓶から察するに酒を羽林軍からかっぱらってきたところか


飛翔はというと俺の顔をみて呆然としている。まさか、ばれたとか?


「し、失礼しますね」


慌ててその場を去る、飛翔が何も言ってこない様子からして、俺だと気付いたわけではないようだ。


一体、どうしちゃったんだろう、飛翔……


首を傾げ歩く櫂兎

ちなみに飛翔は後に羽林軍から逃げる途中に天女をみたと語ることになる





「華蓮様!」

「華蓮お姉様!!お戻りになったんですか!」


「華蓮さまぁ〜」


後宮に入った途端、黄色いきゃぴきゃぴした華蓮様コールがかかる。


「皆さん、私が居ない間、後宮をありがとうございました。何か問題や変わりはありませんか?」


にこりと微笑みきけば「「問題ありません華蓮様!」」と声揃う。なんという団結力



「そうですか、それは何よりです。…実はまた、後宮をあけるのですがお任せして大丈夫そうですね」


その言葉に途端ドカドタと立ち上がり悲鳴を上げる女官たち。


俺はふう、と息を吐く


「あなたたちだから任せるのです。できますね?」


そう強い口調でいえば渋々納得した風の女官たち


「では、私は劉輝様の所へ少し顔を出してきますわ」

いってらっしゃいませ、という声に押されるんるん、と俺は劉輝の室に向かった。

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空中三回転半宙返り土下座
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