12月4日



「カカシー」
「ん?」
「寒い」
「俺も」

暖房をつけても底冷えする夜。名前は胡座をかくカカシの背中にもたれ掛かった。厚手の靴下を爪先に引っ掛ける。任務で冷えた爪先は氷のように冷たいが、背中に感じるカカシの体温は温かい。

「今、俺を湯たんぽにしてるでしょ」
「バレた」
「ま、良いんだけどね」

靴下を足首まで伸ばした名前は、カカシの背中にそのまま頭を乗っける。

「カカシは寒くないの?」
「寒いよ」
「でも、平気そう」
「名前みたいに大袈裟じゃないだけ。任務もあって疲れたでしょ。寝るよ」
「はーい」

温めておくのを忘れた布団は、やはり冷たい。でも、二人で一緒に入るのならすぐに温まるだろう。名前は、体を丸めてカカシの胸に潜り込んだ。カカシの匂いと洗いたての部屋着の香り。それで布団に包まれたのなら、名前のまぶたは落ちていく。

「ひゃ!冷た!」

夢の世界へあと一歩の所で引き戻される。
カカシの冷たい爪先が、名前の足の甲を擽る。名前が逃げても爪先は追いかけてくる。

「冷たいー!」

カカシの両足が名前の足に絡まる。その足は、先に向かう程に冷たい。寒い日に手を擦り合わせるように、カカシの足先が名前のスネを擦る。冷たくて、擽ったくて、なんだか恥ずかしい。

「カカシって冷え性?」
「あれ、知らなかった?」
「そりゃ、初めて一緒に過ごす冬だもの」
「んー、そうだったね」

なんか、ずっといる気がするからさ。そう言って、カカシは名前の額に唇を押し当てた。爪先と同様、唇も冷たい。

「冷たい、末端冷え性」
「これからは、名前が温めてくれるんでしょ?」

名前が居れば、毛布は要らないね。
カカシの楽しそうな囁きに、寒い冬も悪くないかもね。

そんな気がした。






12月4日 end.

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