涙を流した悪魔 | ナノ

悪魔が見せる悪夢




嫌な予感しかしない。

とうとうバレてしまったんだ。





放課後の体育館裏。呼び出しの定番の場所。私は今綺麗な顔立ちの先輩方に囲まれている。


「あんた赤也の何なの?」


何、って言われても。正直になんて言えない。言ったら酷い目に遭うって目に見えてるから。


「…私と切原先輩の間には何もありません」

「嘘つかないでよ!あんたと赤也が部室から出てくるところよく見かけるんだから!」


じゃあ私に聞かないで切原先輩本人に聞けばいいのに。きっと相川先輩は怖いのだろう。切原先輩に直接問いただせば別れを告げられるんじゃないかって。


「本当に何もありません」

「…ムカつく!先輩に対してその態度はどうかと思うんだけど!」


怒りが頂点に達したのか、私は相川先輩に突き飛ばされて地面に膝をついてしまう。さらに手を足で踏まれてぐりぐりと押し付けられる。


「痛っ…」

「その態度とか、赤也に付き纏ってるのとか、全部ムカつくんだよ。これ以上赤也に近付いたら学校に居れなくしてやる」


彼氏が彼氏なら、彼女も彼女ですね。喉まで出かかった言葉だけど、言うのをやめた。ううん、私には元々そんな勇気はない。

でも切原先輩と同じ事を言うんだなって思うと少し可笑しくて、笑ってしまいそうになる。切原先輩は相川先輩を煙たがっていたけど、中身はそっくりなんだなあ、って。

どちらにせよ、二人は私を脅かす存在でしかないのだけれど。





「いー気味。」


相川先輩達が去った後、突然声がしたと思ったら体育館倉庫から切原先輩が出てきた。この人の事だから、私が相川先輩に色々言われていたところを一部始終見ていたに違いない。


「…何がですか」

「いや、お前がどんどん追い詰められていくとこを見てるのが楽しいなーって思ってさ」

「切原先輩の、せいじゃないですか…」

「は?お前、やっぱり態度なってねーな」


思い切り突き飛ばされて地面に突っ伏してしまった。切原先輩が私の上に乗っかってきてスカートを捲った。


「生意気な口にはお仕置きしてやらねーとな…って、お前下の口は素直だったっけ」


いきなり指を2本入れられて体がのけ反る。必要以上に体が反応してしまって、口からはだらし無く喘ぎ声が漏れた。


「あ、っ、うっんんっ…!!」

「おいおい、ちょっと動かしただけだぜ?もうイったのかよ?」


指を引き抜くとカチャカチャとベルトを外して、赤黒く勃ち上がったソレを私の顔に近づけてきた。


「上の口も素直になってもらわねーとなぁ?」

「んんっ!!」


急に口に入ってきた切原先輩のペニス。頭を掴まれて動かされ、じゅぶじゅぶと唾液の音が脳内に響く。

本当は今すぐにでも噛みついてやりたかったけどそんな事したらこの悪魔は何をするか分からない。だから私は目をつぶり、ただただその口淫に耐えた。


「もっと舐めろよ」

「んーっ、ん、んっ」

「…はあっ、やれば出来るじゃん。」


さらに腰を振って切原先輩のペニスが質量を増した。口の中に苦い味が広がってきて、そろそろ射精が近いのだと感じた。


「くっ…、出す、からな…っ、ちゃんと飲めよ…っ」

「んぅっ!!」


喉奥を突かれたと思ったら口の中に苦い味が広がった。反射的に吐き出してしまいそうになったけど、それを切原先輩の手が制した。


「飲めって言ったよな?」


気付けば切原先輩の目は充血して赤くなっていた。

飲み込まないとまた酷い仕打ちを受けるんだろうと思い、息を止めて一気に飲み込んだ。口の中に生臭さが広がってむせ返りそうになる。


「けほっ、ごほっ…」

「そのうち自分から精液飲みたくなるように調教してやるからな」


頬をぺちぺちと叩かれた。切原先輩はズボンを履いて私を置いてとっとと去って行った。





自分から精液を欲しがるなんて冗談じゃない。でも相川先輩や切原先輩の事、これから自分の身起こるだろう事を考えると、涙が出てきた。





20111128




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