小さい頃は泣き虫で、悲しい事があればすぐ俺が慰めてあげていたのに。

大好きだった幼なじみは、今はもう他の男のものになってしまった。





時々彼氏と思われる奴を家に連れ込んで来ているのも、部屋の中で体を重ねている事も全部知っている。俺はその事を思うだけで気が狂いそうになっているというのに、名前は俺をわざと避けるようになり、最近では会っても挨拶すらしなくなった。

だから悔しくて苦しくて、昔よく二人で一緒に遊んだ俺の部屋に連れ込んでベッドに押し倒した。


「お、おとりくん…?」


昔とは違うその呼び名に更に苛々が募り、彼女の首筋に思い切り吸い付いた。赤い痕が付くように何度も何度も吸ったり噛んだりして、所有の証を付けた。



名前は俺の物。それは今も昔も変わらない。はずだったのに…



「やあっ…!」


胸元を吸いながら服越しに柔らかい胸を触る。知らない間に女になっていた名前。アイツに、女にさせられた…。

沸々と怒りが込み上げてきて、名前の服を力任せに半ば引き裂くように脱がせ、それで腕を括った。こうすればもう簡単で名前は口でしか抵抗出来なくなった。その煩い口も塞いでやって、俺を拒否出来ないようにしてやった。


「うぅ…んっ、あ、ふっ」

「大人のキスまで出来るようになっちゃったんだね。これもアイツに教わったの?」

「んぁっ、やあぁ、んんんっ!」


嫌なんて言わせない。だって下着をずらして出てきた名前の乳首は驚くぐらいビンビンに勃っていたから。触ってと言わんばかりに主張してくる乳首を指で弾いて摘んでやれば名前は段々と甘い声を漏らすようになった。


「あ、あっ…、やあっ、あんっ」

「気持ちいいの?こんなに勃起させて…名前の乳首は淫乱だね。」

「や、あぁ、んっ」

「舐めてあげる」


片方の乳首を口に含みもう片方はギュッとさっきより強めに摘んで愛撫する。名前は嫌々言うものの、俺の頭を自らの手で胸に押し付けている。やってる本人は無意識なんだろうけど。


「は、あっ、だめえっ、いやあ…っ!」

「本当?本当に駄目なの?乳首はもっとしてって言ってるよ?」

「あっ、ああんっ!」

「ほら、ココもこんなグショグショに濡らして…」


パンツの上から指で撫でればソコはもうすっかり濡れていた。下着の上からクリトリスに当たるように擦ると名前はまたイイ声をあげた。


「あああっんっ、そこはだめぇっ…」

「嘘つき。まだ少し触っただけなのに大きく膨らんでるよ。舐めたらもっと凄いんだろうね。」

「そんな…、あっ、ひゃあああんっ!」


いきなり甲高い声をあげたのは俺がパンツをずらしてクリトリスを舐めたから。指も出し入れしながら、しつこいくらいに舐めた。俺の舌が動く度に喘ぐ名前が可愛くて堪らない気持ちと、こんな姿をアイツにも見せているのかという黒い嫉妬心もあった。


「あ、そこばっかぁ…、だめぇ…」

「そうだね。ちゃんと中も舐めてあげなきゃね。」

「ああんっ、やあああっ!あっあっ…!」


中に舌を捩込んでまん汁を吸い尽くすように激しく舐めたら名前は軽くイってしまったようだった。舌を入れていた中がきゅうっと締まって痙攣している。もうこんな姿見て我慢なんてしていられない。



ズボンと下着を一気に下ろして名前の濡れきったそこに擦り付ける。クリトリスと擦れて気持ちいいのか名前は自分から緩く腰を動かし始めた。

そんな名前に意地悪く言ってやった。


「自分から腰振ってどうしたの?これ入れて欲しいの?」


先っぽを名前の中に少し入れたら、名前はそのまま腰を沈めようとしたからそれを制した。

今まで散々、おあずけ喰らって遠くから名前を見ていたんだ。これくらいの意地悪なら許されるだろ?


「何が欲しいのかちゃんと言ってごらん」

「…ちがう、の、欲しくなんか、」

「そんな意地張ったって辛いのは名前だよ。素直に言えば俺ので名前の中突きまくって気持ち良くしてあげる」

「ひどい…っ」


酷いのはどっちだよ。俺はずっと名前を見てきたのに勝手に恋して彼氏なんか作って。だから、ムカついたから、俺も名前への当てつけで色んな女の子と付き合って、セックスした。でも名前は俺からどんどん離れていった。

それが寂しくて悲しくて、だから無理矢理手に入れてやろうと思った。


「鳳く…、もうゆるして…」

「だから、ちゃんと言ってよ。どうして欲しいの?」


にさっきよりも少しだけ深く挿入して動かしてみたけど名前は物足りない様子で目に涙を浮かべて歯を食いしばって快感に耐えていた。



ああやばい、その表情、はまりそう。



「お、ねがい…、お…長太郎の、入れて」

「俺の、何?」

「…おちんちん、入れて」


とうとう泣き出して真っ赤な顔で俯きながら言われたその言葉に興奮して、名前の中を奥深くまで突き刺してやった。


「はあんっ、あっああっ、いきなり、激しいよぉ…っ!」

「ごめん、我慢出来ない…っ」


アイツとヤりまくってるかと思っていたのにキツすぎる中に驚いた。突く度にビクビクと中が動き俺を締め付ける。こんな良いのは初めてだった。名前だから、心も体も、感じている。


「ああんっ、はあ、ちょ、たろ…っ」


昔と変わらないその呼び名が嬉しくて夢中で名前を突いた。腕を拘束していた服を解いて、俺は名前にキスをした。名前はそれに応えてくれて自分から舌を絡めてきた。


「は、んっ、ああ、長太郎っ…」

「名前可愛い。俺もう保たないよ」

「ああっん、はあ、あんっ」

「あ…、名前、出るっ…!」


激しくピストンして最奥を突き立てて俺はイった。名前も同時にイったみたいで俺のをきつく締め付けた。もちろん中で射精してる間も。


「ははっ、名前のまんこ精液だらけだよ」

「はあっ、はあ…」

「イったばかりで喋れない?じゃあ感想は後で聞くから俺の舐めて」

「ふ、んんうっ」


名前の口の中に無理矢理突っ込んで舐めさせた。名前は苦しそうにしながらも俺の残った精子を丁寧に舐めてくれて、それにまた欲情した。でも今は泣いてる名前を抱きしめるのが先。

名前を抱きしめて頭を撫でた。昔もよくこんな風に泣いた名前を慰めたっけな。


「ごめんね…。こんな風に泣かせたかったわけじゃなかったんだ。ただ名前が俺から離れていくのが許せなかった」


さらに抱きしめる力を強くして名前の頭を抱えるようにして密着した。昔はこうすれば名前はありがとうって言って、俺に笑顔を向けてくれた。けど…今は違う。


「先に離れて行ったのは長太郎の方だよ…」


名前は俺の胸を押し返して、まだ零れている涙を隠すように俯きながら言った。

先に離れたのは俺の方…?ああそうかもしれない。名前が好きな男の話をする度に相談役だった俺はそれに嫉妬してはけ口を作ったんだから。

だから名前が離れて行ったのは俺のせいで必然だったのかもしれない。でも、同時に名前も俺の事を少なからず思っていてくれた事が嬉しかった。


「名前、俺じゃ駄目?もう他の女なんていらない。全部切る。俺は名前の事幼なじみなんて思った事ない。ずっと女として見てたよ」


もう一度名前を抱きしめようとしたけれど、その手は名前によって払いのけられてしまった。

突然の事に驚いて名前の顔を見たら、もう隠しきれないくらいに泣きじゃくっていた。


「ごめんっ…、もう遅いよっ…それに長太郎とこんな風に、したくなかった…」


名前はそう言って服を整え、俺の部屋から出て行った。





ああ、もう何もかも、遅すぎたんだ…。



俺はこの日、大好きな人の体を手に入れた。けれど同時に心を遠ざけてしまった。





自分の目から流れる涙が、ひどく冷たく感じた。





20110901



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