言い訳すると
2020/11/22 10:00
ハッと目が覚める。待ち合わせは10時。電車は9:36発。今は9:23ですぐに出れば余裕だ。
歯磨きと顔だけ洗って鍵と財布とスマホを掴み、勢いよく部屋を飛び出す。
「……あ?」
じわり。股間に熱いもの感じたけれど、立ち止まってる暇はない。
「んん……」
何かがおかしい。電車に乗って揺られながら、身体の不調に気付く。特に下腹部。殊更パンツの中。
じわり、じわりと濡れていく感触。
待ち合わせの5分を前にして現地に着く。目に入るのは会社の同僚。今日の映画を誘ってきたのは彼の方。
「おはよ、はえーじゃ……」
あれ、と立ち止まる。
おかしい。じょわ、じょわと迸るなにか。
こんなの絶対、おかしい。
「う、あ……」
「如月……!」
動揺する俺、駆け寄る橘、広がる水濡れの円。
意思によらない失禁に、俺はなす術もなく膝から崩れ落ちた。
終わり
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