露天風呂 (ロイversion) | ナノ
第3話 








旅館の部屋は個室ではなく、大部屋がいくつも並んでいた。
それはここを利用する客の殆どが、船乗りばかりだからだろうけれど。

シリウスの一団も例に習って、1つの部屋で雑魚寝をする事と、あいなった。



「さーーて!風呂だ風呂☆」

部屋に入れば服を脱ぎ捨て、浴衣に着替え始めるクルー達。
うしろを向いて赤面する●●●は、部屋の隅に立ったまま、手に持つ浴衣をぎゅっと握る。

しかしそれも僅かな時間で。

着替え終えたクルー達は、改めて1人にさせる●●●の事をどうしたものかと頭を掻いた。

が。ここは大きな温泉旅館。

宿泊客もさることながら、彼女が行くのは女湯だ。

よほどの悪運の持ち主でなければ、そうそう1人の男に出くわすこともないだろう。

そんな考えに辿り着いて。


「…んじゃロイには気をつけろよ?」

リュウガを始めクルー達は、●●●の頭をくしゃりと撫でて、それぞれ風呂へと出掛けて行った。


「さて……私もお風呂に行こっと♪」

誰もいなくなった部屋でひとり。●●●も浴衣に着替え終わると、ロイのことなどどこ吹く風。
タオルを抱えてお風呂に向かった。








 
   


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