ライバル心



「なあユーリ。どうして俺には彼女が出来ないんだと思う?」

「・・・なんだよ、唐突に」



子供の頃から一緒にいた、所謂幼なじみのライはいつもいきなり

意味の分からない事を言う。

今回も、本当に唐突だった。



「いやな、ふと思ったんだよ。

 20歳にもなって一人も彼女が出来てねーのはまずいんじゃないかって」

「んなもん人それぞれだろ」

「そりゃそうなんだけどよー・・・」



そう。ライにはいままで彼女が出来たことは一度もない。


理由は一つ。

オレとフレンがライに女を寄せ付けなかったからだ。

男同士なんて関係ない。好きなもんは好きなんだよ。



「なんだかなー」

「なんだよ」

「無理して付き合いたいってわけじゃないんだけどさ、なんかこう・・・

 人を好きになってみたいっつーか」



驚いた。まさかライがそんなことを考えていたとは。

そりゃ20歳にもなりゃ当然だろうが・・・。


放っておいたら、誰かにライを盗られる。

そんな気がした。

そして、無意識に口が開く。



「んじゃ、好きになってみるか?」

「へ?だれを?」

「オレ」

「・・・は?」

「だから、オレを好きになれって言ってんの」

「・・・はあ!?」



ライの気持ちは良く分かる。本当にオレ、何言ってんだ・・・?


しかしこれはまたとないチャンス。

言ってしまっては仕方がない。もう、攻めるのみだ。



「人を好きになってみてぇんだろ?」

「そうは言ったけど・・・!」

「ま、言わずとも実行するつもりだったけど、な」

「は、?何言って・・・」

「ライのことが好きだって言ったんだよ」

「へ・・・、は?」



もう隠し切れない自分の気持ちをライに伝える。


すると、ライの顔が赤く染まっていく。

想像以上の反応に、こちらまで照れてしまう。

・・・くそっ。無意識でやってんだから、本当にたちが悪い。


ライを見ると、困ったように視線を上下左右に動かしている。

・・・本当に、たちが悪い。



「とにかく、気持ちは伝えたんで、これからは本気でいくわ」

「え?」

「覚悟しとけよ、ライ。ぜってー惚れさせてやる」






(うええ!?)
((他のやつらには渡さねぇ・・・!))





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