優しい笑み
いつかはこの時が来るのは分かっていた。
分かりたくなかった。
僕の目の前には、優しげに微笑んでいる君。
もう二度と笑い合えない。
知っていたんだ。君が重い病気で、もう先が短いということを。
知っていたんだ。残り少ない人生で、つらいのに必死に笑っているということを。
それでも気付かないふりをした。
君が近いうちに僕の前からキエルこと。
言ってしまえば、君が泣くと思ったから。
でも違ったね。
泣くのは君じゃなくて、僕。
君のためと言い、結局自分の意思を優先した愚かな僕。
許して何て言わない。
でも、もう少しだけ、君の微笑みを・・・・。
(頬を伝う冷たい何かに気付いた時)(彼女の笑みがキエタ気がした)
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