《雷門イレブン強さの秘密その3 “雷門魂”!》

「さぁ、お待たせしました!強さの秘密三つ目!ずばり雷門魂!今やサッカー名門校として、全国にその名の知れた雷門中の強さの原点とも言うべきです!雷門中のOBは、日本はもちろん世界のサッカー界でも活躍している事は皆さんご存知でしょう!」

ここで映像が再び切り替わり、いよいよ最後であろう秘密に辿り着いた。
そこで映し出されたのは、今の雷門イレブンを支えてきてくれた元雷門中サッカー部であり昔の雷門を知る染岡、帝国の総帥ともなっていた鬼道、そして、雷門サッカー部を一番見続けていた円堂が順番に映し出された。

「かつて、サッカー部キャプテンとして名を馳せた円堂守選手は海外のプロチームで活躍していましたが、今は母校、雷門の監督に就任し、チームを牽引してきました」

「さらにホーリーロード地区予選決勝からコーチに就任し、円堂監督が不在の時は監督を務めた鬼道有人さんも雷門OBなおんです!鬼道監督は元々帝国学園の総帥です。ホーリーロード閉幕後は、帝国に戻り総帥に復帰しているとの事です」

「円堂監督や鬼道監督から雷門魂を受け継いだのが、ホーリーロードで優勝を飾った雷門イレブン、この17人なのです!」

それは、今の雷門の選手である自分達自身がそうだと言う事。
今更ながら、多くのOBに支えられてこられた事に誇りさえも感じられた。

「雷門イレブン強さの秘密番外編 “雷門イレブン必殺技大図鑑”!!」

と、ここでまだ終わらず、次に出てきたのは自分達が今まで繰り出してきた技の数々が、この番組により編集され大図鑑となって見られた。
三国のフェンス・オブ・ガイア、車田のダッシュトレイン、天城のアトランティスウォール、浜野のなみのりピエロ、速水のゼロヨン、倉間のサイドワインダー、霧野のザ・ミスト、錦の化身シュートである武神連斬、狩屋のハンターズネット、輝のエクステンドゾーン、一乃と青山のブリタニアクロス。
ここまでが、一気に流れてきていた。

「中でも大活躍だったのは、これから紹介する五人です。
まずはキャプテン、松風天馬君。雷門魂の後継者として決して諦めず、チームを引っ張る大いなる風でした!」

画面が切り替わり、映像を流していた画面には“走れ!天馬”と大きな文字を前に映し出されたアップの天馬が映る。
そして、そんな天馬の紹介された必殺技は、スパイラルドロー、マッハウィンド。そして、天馬自身の化身である魔神ペガサス、そして天馬の成長と共に進化した魔神ペガサスアーク。

「続いてチームの司令塔、神童拓人君。チームをまとめ上げる抜群のリーダーシップの持ち主です!」

再び画面が切り替わり、次に現れたのは“泣くな!神童”の文字と共に出てきたいつぞやの神童の泣き顔。神童から流れる涙が美しく輝いた後、そんな物が無かったかのようにプレイシーンが映し出された。
神童の化身である奏者マエストロの必殺技であるハーモニクスが打ちこまれた後、画面が切り替わる。

「そして、エースストライカーの剣城京介君。チームに風雲を齎した危険な魅力の持ち主です!」

不適な笑みを浮かばせた剣城を初めに、彼の必殺技であるデスドロップ、剣聖ランスロットのロストエンジェルが炸裂。その映像の中には一部京介の兄である優一も出ていた。

「更に小さなボディにでっかい闘士を秘めた西園信助君。化身まで出した努力の子です!」

次に切り替わった人物は“跳べ!信助”の文字と共に映し出された信助のジャンプ場面。
かっとびディフェンスを初めに、護星神タイタニアスのマジン・ザ・ハンドが炸裂。
そこで再び画面が切り替わり、次に現れたのは“舞え!悠那”という文字と一緒に出て来た悠那の頬笑む姿だった。

「そしてそして!10年振りとも呼ばれる女性選手の谷宮悠那さん。10年前から円堂監督達の背中を見て育ち、今では二つの化身を持つ異例者と成長されています!彼女もまた世界で輝くのか今後期待が見られますっ」

大空聖チエロのウーラノスを初めとし、真空カマイタチ、ユニコーンブレード、大炎聖フィアンマのガイアストームの炸裂。
改めて自分のプレイ姿を見ると、男子達と変わりないんじゃないか?とも思えてきた。更に昔の写真まで出されて徐々に顔を染める悠那だった。

そんな彼女を知ってか知らずか、次に映し出されたのは、月山国光、白恋、木戸川の必殺タクティクスが流れるように切り替わる場面だった。

「さて、雷門魂が最も強く感じられるのが必殺タクティクスです!チームが一丸となって決める超絶プレーはどれも気持ちを一つにしなければ出来ないぷれーでした。…雷門の必殺タクティクス、一気にお見せします!」

最初に出て来たのは雷門の代表とするタクティクスでもある神童の繰り出す“神のタクト”。
神童の滑らかな手つきで光の導きが選手達に示し出し勝利へと向かって行く。正に神童にしか出来ない必殺タクティクスだった。
そんな場面に茜はほれぼれとしており、「神サマ凛々しくて素敵」と呟く。

そして、次に映し出されたのは、帝国戦の時に活躍した、“アルティメットサンダー”。
これは、キック力の強いストライカーが鍵となり、このタクティクスは剣城が居ないと出来ない物であった。

「ここではホント、剣城に助けられたよね」
『ちょーっと時間はかかったけどね』
「うるせぇよ」

天馬の呟きに悠那がにまにまとにやけながら剣城に向けてそう呟けば、剣城は気まずそうに顔を背けるも悠那にデコピンを食らわせる。
そんな姿を微笑みつつ、次に映ったタクティクスを見る。
それは白恋戦の時に活躍した“ダブルウィング”。これもまたキック力のある二人が必要で、剣城と輝にしか出来なかったタクティクスだった。

「影山、大活躍だったな」
「えへへっ」

水鳥の言葉に、輝は照れ臭そうに頬を染めながら笑う輝。
まだ終わらない必殺タクティクス。次は木戸川清修戦の時に活躍した“フライング・ルート・パス”
ピッチダウンするフィールドの上でどうパスを繋げるか、となった時にこのタクティクスが役立ち、更に全員が出来るタクティクスとなっていた。

「…ちゅーか、ピッチダウンって無茶苦茶過ぎっしょ」
「僕なんて水の中落っこちゃいましたよ」
『私は溺れましたけどね』
「「「………」」」
「まあ、そこはピッチダウンにかけて水に流そうぜ」
『私は溺れましたけどね』
「うん、ごめんて」

ピッチダウンした時の状況に、悠那は先程までの笑みはどこへやら。真顔で画面を見続けた。
そんな顔をした彼女に思わず浜野も、笑いに流そうとするも耐え切れずについ謝ってしまった。



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