2010/08/16 16:16 「だぁーれ「正臣」何で!?」 目隠しを外して頬を膨らませれば、帝人がつん、と空気を抜いた。 「今日はいつもと違う声にしたのにっ!」 むー、と唸る。何故自分だとわかったんだと首を捻る正臣に帝人は優しく微笑みながら口を開いた。 「うーん・・・正臣の匂い、かな」 「は?」 「僕さ、正臣の匂いは判るんだよね。」 匂い、という単語に首を捻る正臣。自分は香水を付けているわけではないし、かといって体臭が酷いわけでも無いはずだ。そんな考えを察知したらしい帝人は続ける。 「ほら、きっと正臣独特の匂いだと思うよ。甘酸っぱい感じで、凄く良い匂い。もう、」 食べちゃいたいくらい。そういって再度微笑んだ帝人の表情は、これ以上く本気で。 正臣はひきつった笑みを浮かべることしか出来なかった。 |