鈍感で聡明



ナルトと美香


『ナルトー!やほやほ!』

「美香じゃん!どうしたんだってばよ?」

『葉樹がクッキー作ってくれたから、一緒に食べよ!』

「葉樹のクッキー!?食べるってばよ!!!」


葉樹のお菓子、美味いんだよなあ〜。



『ね、ナルト、最近どう?』

「どうって何が?」

『もーとぼけないでよね!サクラのことだよ〜』

ブッ!!!

『狽、わっきたなっ!』


ああ…クッキー勿体無いってばよ……

てかさ。


「いきなり何言い出すんだってばよ!?」

『え、好きなんでしょ?』

「誤解だってばよ!」

『またまたあ〜』


だって、俺が好きなのは………

美香、だし。
(葉樹にはバレてるらしい。おかげでよくからかわれるってばよ…)


「俺が好きなのは他の人だし、」

『え、誰!?』

「美香には教えねーっ!!!」

『え〜っ!? あ、わかった葉樹でしょ!』

ない。それはない。

『(そ、そんなきっぱり…)』


「とにかく秘密、だってばよ!」

『ちぇ〜……ってええ!?』

「うわっ!いきなりどうしたんだってば!?」



『ナルト…最後の一個のクッキー食べたでしょ』

「え?ああ、さっきの最後だったんだな!美味かったってばよ」


あとで葉樹にお礼言いにいかなきゃな!



『ナ…ナルトの馬鹿ァァァアっ!!!』

「はあ!?」

『さ、最後の一個!!!』

「美香は家に帰ったら食べれるじゃんかよ!」

『それはそれ、これはこれ!』

「狽けわかんねーてばよ!」

『許すまじうずまきナルトォォォオ!』

「ちょ、ま、葉樹助けてってばよー!!



『あはは、許さないんだからねナルト!』

「!」



不意打ちの笑顔は、ずるいってばよ。













普段は俺とかわらない御転婆娘の癖に、
不意に見せる大人びた笑顔に身動き出来なくなる。